癒しとふれあいのガーデン「タネニハ」東久留米 秋田茂良さん

 東久留米市南町にある花と緑の生産農家「秋田緑花農園」の一角に、癒しと触れ合いのガーデンが今月始めプレオープンした。約400平方㍍の敷地に、菊やダリアが見頃を迎え、コキア(箒草)が赤々と燃えてきた。パンジーやビオラの縁植え、多摩地域に自生している野草など約350種が植えられている。「タネニハ」と称して一般公開している。

豊富な地下水を利用して小学時代からの夢を

プレオープン中のタネニハ

プレオープン中のタネニハ

 スカイタワー西東京を背に、その北側に広がる「秋田緑花農園」一帯は、江戸時代半ば、享保年間に開拓された農地で、秋田茂良さん(42)で12代目。周囲は宅地化が進んでいるが、「平成の名水百選」に選ばれた落合川と南沢湧水群の谷頭に近く、地下水も豊富な土地だという。
 昭和20年代、祖父・金造さんの代からシクラメンの栽培を始めた。地下14㍍から汲み上げた地下水を利用して、父祖伝来の農地で小麦とサツマイモ、延べ800坪の温室でゼラニウム、葉に芳香のあるセンテッドゼラニウム、ビオラ、葉の色が楽しめるヒューケラ、葉牡丹などを減農薬で栽培。
 茂良さんは小学校卒業アルバムに「町を緑でいっぱいにしたい」と書いており、その夢に向かって、オリジナルな育種にも力を入れている。

花農家だからできる癒しの庭を

花には希望があると秋田さん

花には希望があると秋田さん

 花の癒し効果を茂良さんが実感したのは、東日本大震災の被災地だった。2011年3月11日発生直後、まだ重機も入らない被災地で、鉢植えの花々が怯えた人々の心を和ませた。花には可能性がある。希望があることを教えられた。
 花苗を消費者に届けたいと思っても、庭いじりができない人や庭のない人もいる。「来て見て癒され、花農家だからできる庭を設けたい」と、小麦畑の一角に庭づくりを計画した。中央にハート型の芝生地、その周囲を回遊できる基本設計は茂良さん自身で。2年前から造園作業に取り掛かった。

ハート型の芝生の周囲をダリアが飾る

ハート型の芝生の周囲をダリアが飾る

 農園スタッフや仲間のガーデナーやボランティア30~40人で母屋の敷地から欅や松、カエデなどの古木も移植。南沢湧水池をイメージした小さな池も設けた。これまでなかった直売コーナーと、ひと休みできる場も設けてある。
 「タネニハ」のニハは古語で場の意。様々な種が育つ場になって欲しいと名付けたそうだ。

組み合わせて植え込むギャザリング

シクラメンと白妙菊と多摩の星空(手前の小花)などのギャザリング

シクラメンと白妙菊と多摩の星空(手前の小花)などのギャザリング

 育成中のポットが並ぶ温室の中で、「バラの花束に見えるでしょ」と、茂良さんが見せてくれたのは、ブーケ仕立ての葉牡丹だ。5~8株を一鉢に植え込んである。カラフルな葉を楽しむヒューケラも、色違いを花束のように植え込むギャザリング技法がお奨めだとか。植え込んだ時から華やかで、繊細さも楽しめる。

苗の販売も始めた

苗の販売も始めた

 ギャザリングに向けて、育種したビオラ「多摩の星空」は、関東東海花卉展覧会で金賞を受賞した。通常のビオラより花も葉も4分の1くらいのサイズで、星が瞬いているように神秘的でもある。
 「タネニハ」は来春、ベストな状態で本格的にオープンの予定という。

 

12月下旬まで火~土曜の12~17時、試験的に開放。悪天候と日没後は閉鎖。直売コーナーではビオラ・パンジー300円、葉牡丹ミニ150円、同ブーケ500円、ヒューケラ500円他。
 「タネニハ」へは西武線田無駅北口、バス停(1)からひばりが丘駅行で、「イオンモール東久留米南」下車。南沢4丁目交差点を南へ徒歩8分。都道新宿青梅線沿いに駐車場2台。東久留米市南町2-3-19 電話番号090-4430-1187秋田緑花農園

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