「玉川上水」道路で分断? 12月6日 小平市でイベント開催

次世代に向けて

 昨年、開削から360年を迎えた玉川上水。1999年に東京都の「歴史環境保全地域」、2003年に国の文化財保護法に基づく「史跡」に指定されている。しかし建設が予定されている都市計画道路の中に、この玉川上水を分断するものが多くあるという。これからの玉川上水の保全のあり方について考えようと、12月6日(土)、市民グループが小平市で「Walk & Talk 玉川上水」と題したイベントを開催する。

愛される水と緑の回廊

昔ながらの姿を残している玉川上水(素掘りと水路の見える小平監視所下流・上水小橋付近)

昔ながらの姿を残している玉川上水(素掘りと水路の見える小平監視所下流・上水小橋付近)

 イベントを主催する市民グループは、「みどりのつながり市民会議」。玉川上水や周辺の水と緑の景観を守る活動に長年関わってきた8つの市民団体が集まって発足した。
 江戸の飲料水不足を解消するために多摩川から水を引き開削された玉川上水は、羽村取水堰から四谷大木戸に至る全長43㌔に渡った。現在、下流約13㌔は暗渠になっているが、羽村取水堰から小平監視所まで約12㌔は昔ながらの多摩川の水が流れ、小平監視所から杉並区久我山あたりまで約18㌔は、都の「清流復活事業」で、下水処理水とはいえ水の流れが復活し、遊歩道も整備されるなど、武蔵野の水と緑の回廊として親しまれている。
 特に今回イベントを開催する小平市の辺りは、開削当時の素掘りの法面(のりめん)が残り、玉川上水全域を知る人からも「素晴らしい景観や自生野草が残っていて貴重」との声が多い。遊歩道には、かつて住民が里山として利用したケヤキやクヌギ、コナラなどの樹木が茂り、四季折々の武蔵野の風景を楽しみながら日常的に自然と触れ合い学べる場にもなっている。

住民投票を経て

遊歩道で署名集め。散歩やジョギングを楽しむ人たちが、立ち止まって署名していく

遊歩道で署名集め。散歩やジョギングを楽しむ人たちが、立ち止まって署名していく

 昨年、この玉川上水と雑木林をつっきる幅36メートルの都市計画道路(3・2・8号)について、計画の見直しが必要かどうかを問う住民投票が行われた。結果は、投票率が成立要件に達せず不成立となり、現在まで開票すらされていない。しかし不成立は不開票を意味しないとして、投票用紙の開示を求めて市民有志が裁判に訴えている。
 3・2・8号線については、文化財保護法に基づき「史跡の変更については教育委員会と文化庁の許可が必要」なため、文化庁長官と小平市・東京都の教育委員会に宛て、「『史跡玉川上水』の現状変更を認めないよう求める」署名活動も行われている(※第一次集約は2015年1月15日。署名の取り扱いも「みどりのつながり市民会議」)
 玉川上水を分断あるいは隣接して通る道路は、玉川上水全域で44本もあり、そのうち26本はこれから整備されるもの。なかでも、小平市に関わる道路は7本ある(地図参照)。

国の史跡のあり方を考える

玉川上水に関わる道路(小平エリア)

玉川上水に関わる道路(小平エリア)

 40年前から活動する「小平市玉川上水を守る会」の会長で、「みどりのつながり市民会議」の共同代表でもある庄司徳治さんは、「都市計画の名の下に、市民が実情を十分理解しない間に少しずつ道路が整備されている。国の史跡である玉川上水がこんなふうになっていることに対し、いいんですか? と問いたい」という。
 6日のイベントでは、午前中の【Walk】で、ガイドとともに玉川上水を歩き、午後の【Talk】で、昔の貴重な玉川上水の写真を見ながら、パネリストや参加者も交えて率直な話し合いを深めたいとしている。

Walk & Talk 玉川上水 12月6日(土)

◯Walk…11時~12時半(小雨実施、大雨中止)。西武国分寺線鷹の台駅から5分の小平市民総合体育館前に集合。
◯Talk…13時半~15時半、小平市小川町一丁目地域センター(武蔵野美術大学裏。鷹の台駅から15分)。参加費・資料代200円。
※【Walk】【Talk】申し込み不要。どちらかだけの参加も可能。
問合せ・midoritsunagari@gmail.com
主催・みどりのつながり市民会議 midoritsunagari.wordpress.com/ 連絡先:090-2439-7976尾川

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