春をつげる江戸野菜 東京うど 立川が生産量都内1位

 香りと甘み、シャキッとした歯ざわりが春うどの魅力。根株を光の入らない地下3㍍の穴ぐら(ムロ)で育てること約1カ月。出荷作業に忙しい立川市上砂川町四丁目のうど農家、鴻地さんの家のムロをたずねた。

色白できめ細かな肌が特徴

うどを収穫し、ムロから上ってくる国光さん

  うどを収穫し、ムロから上ってくる国光さん

  西武拝島線武蔵砂川駅から徒歩7、8分。線路の南側を流れる玉川上水を渡ってすぐに鴻地家の作業場があった。庭にある1つのムロから、刈り取ったばかりの真っ白いうどがつりあげられたところだった。次にムロからヘッドランプをつけた鴻地国光さん(81)がはしごを上って地上に。
 「うどは風に当たると赤くなっちゃうからね」とすぐにムロの入り口を、数枚の毛布で覆った。「色白で肌はきめ細かで、すらっとしているのが高品質の条件」と国光さんの妻・芳子さんはいう。12月から4月が食べごろだそうだ。

暗闇のムロで約1カ月

長さ80㌢の東京うど。買いもの袋に入る60㌢丈の「立川こまち」も好評

長さ80㌢の東京うど。買いもの袋に入る60㌢丈の「立川こまち」も好評

  忙しい収穫の合間に4つあるムロの内の一つに入れてもらった。深さほぼ3mのところに十字に、高さ約1m半の横穴を掘ったものだった。鴻地さんのヘッドライトのわずかな光によって暗闇の中から長さ80cmほどに成長したうどの白い肌が浮かぶ。
 ムロの中の温度は17、18度。暗く、狭い中でひざをまげて全ての作業をしなくてはならない。「根株を伏せこむ(植えこむ)ときの間隔、成長にあわせた水のやり方に気を使う」と鴻地さんはいう。
 東京でうどの栽培は江戸時代(1600年代)から始まる。初物を味わうという江戸っ子の粋な楽しみの一つだった。立川市の関東ローム層が保湿性に優れ壊れ難いなどうどムロに適していることも幸いして、現在は東京一の生産高を誇る(年間84トン。2位は国分寺市、3位は小平市と続く)。連作障害が出やすいうどの優良根株の栽培を群馬県に委託。1年間かけて育てた栄養たっぷりの根株をムロで育てる。

低カロリーで繊維質が多い

「みのーれ立川」ではうど料理の試食をすすめている

「みのーれ立川」ではうど料理の試食をすすめている

 うどはビタミンB、C、アミノ酸を含んでいるので疲労回復や抵抗力に優れ、繊維質が多い。ストレスがたまりやすい現代人の食材にはぴったりだ。立川市うど生産組合の組合長でもある息子の文武さん(52)は「2020年オリンピックで来日する外国の人にこの日本独特の野菜・うどを売り込みたい」と意欲的。

 立川市と立川市うど生産組合では、うどを食材にもっと取り入れてほしいと「うどのレシピ」を発行。JA東京みどりが経営する「ファーマーズセンターみのーれ立川」でも店頭でうど料理を紹介している。  

おかか炒め。ごま油で炒め、醤油等で味つけ、おかかをまぶす

おかか炒め。ごま油で炒め、醤油等で味つけ、おかかをまぶす

 「うどの酢みそ和えは有名ですが、スライスしてサラダとして食べてもおいしい。 店頭で行っている試食では、ぺペロンチーノ風、中華炒め、おかか炒めなども人気です」とみのーれ立川職員はいう。


■ファーマーズセンター「みのーれ立川」(立川市砂川町2-1-5。昭和記念公園北側)10時~17時営業(11月~3月)、無休(年末年始除く)。電話042-538-7227



定番のうどの酢みそ和え。ワカメを添えて

定番のうどの酢みそ和え。ワカメを添えて

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