相続問題を落語でわかりやすく -八王子市の行政書士 2月14日・昭島で公演-

 どこの家庭でも起こりうる相続問題。1月から相続税が増税になって相続税問題には関心が寄せられている。八王子市の行政書士・木﨑海洋さん(46)は「こころ亭久茶」の高座名で相続トラブルの防止対策や解決事例を落語風に解説。分かりやすいと評判を呼び、今年1月~3月ですでに全国40カ所で公演の依頼が入っている。

天国・親が下界を見れば

こころ亭久茶こと木﨑海洋さん

こころ亭久茶こと木﨑海洋さん

 三味線の出囃子(でばやし)の音にのって着物姿のこころ亭久茶さんが登場。1月、立川市総合福祉センター視聴覚室に集まった中高年(60人)の視線が舞台に集中する。
 「天国に来るのが遅かったじゃないか、ばあさん。ところで遺言は書いてきたんだろう」「子どもたち兄弟は昔から仲がよかったから大丈夫ですよ」「ちょっと下界を覗いてみようか」と、こころ亭さんの視線が下界へ。「お前はお袋の面倒を見なかった。だから家は長男の俺のもの」「なに言っているんだ兄さん。法律で平等と決められているから、半分はおれにも権利がある」
 木﨑さんは「落語はアマです」とは言うが、なかなか聞かせる。顔を左右に振って登場人物を演じ分け、話のテンポも、トントンと弾む。

財産だけでなく親の心も相続

02_P065_01_01 親の財産の相続について法律は「子どもたちで平等分割」といっている。「ですがこれを持ち出したら兄弟の仲は完全に壊れます。私は数字上の平等ではなく公平分割を提案しています」と落語口調で解説は進む。
 兄が親の面倒を見ていたのは弟も分かっているが、昔のちょっとしたことが気に入らなくて兄を困らせているケースもあるという。話し合って原因を探しどちらかが謝り、財産分与がスムーズにいった例もあるという。
 「親は先祖への感謝、子孫への感謝、兄弟同士の絆や思いやりを大事に、と子どもに教えたはずです。そのことを思い出して財産と一緒に親の心も継承してほしい。財産だけを相続しようとするからいがみ合いになるんです」と言う。

大事さを伝えたい落語に挑戦

02_P065_01_03 木﨑さんは、以前、セミナーなどで、相続や成人後見人の話をすると、参加者の表情が暗くなり、緊張していくのを感じた。
 大事な話だから聞いてもらいたい。落語スタイルで話をしたら理解してもらえるのでは、と思いついた。
 落語はまったくの未経験。落語のDVDを買い集め、練習をはじめた。一人でぶつぶつ言っていると登場人物がごっちゃになったしまった。「台本を書いて、右を向いて話す人物、左を向く人物を頭に叩き込んだ。練習は毎朝5時に家の周辺を1時間ジョギングをしながらブツブツ。風呂に入ってブツブツ。3カ月後の、2013年1月にデビューした。

遺言作成は親が子にする最後の仕事

 「遺言を書くようにと、マスコミが注意を促していますが、実際は10人に1人も書いていないような気がします。親が亡くなった後、子どもたちがいがみ合わないように遺言の作成をすすめます。親が子どもにしてあげられる最後の仕事です」と木﨑さんは言う。
 その上で預金管理などをする成人後見人制度を利用すれば、トラブルは避けられるという。

第5回権利擁護基礎講座

「『落語で学ぶ、相続・遺言・成年後見人制度』と相談会」 
2月14日13時半~15時、あいぽっく(保険福祉センター=昭島駅南口7分)。
こころ亭久茶さん(行政書士・木﨑海洋さん)が話す。
先着50人(要申し込み)。無料。
公演後、後見支援センター職員による相談会が用意されている(要申し込み)。
電話番号:042-544-0388
地域福祉・後見支援センターあきしま

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