日本とセルビアをつなぐアート展 セルビアのアーティスト展 -8日から小平市で-

 明日8日(金)から13日(水)まで、小平駅南口近くにある白矢(しらや)画廊で、「セルビアアート展」が開催される。日本政府の奨学生として来日、東京芸術大学大学院研究生として研鑽を積んでいるマリヤーナ・アンジェリッチさん(31)とミレンコ・ステヴァノヴィッチさん(32)の作品展で、日本とセルビア両国の友好の絆も伝わってくる。

バルカンの国から来日して

マリヤーナ・アンジェリッチさんの思いを描いた日本画「フラワーリース」8号

マリヤーナ・アンジェリッチさんの思いを描いた日本画「フラワーリース」8号

 セルビア共和国(通称セルビア)はバルカン半島の中央部に位置し、旧ユーゴスラビア連邦における幾多の民族紛争を経て、2006年に独立。北海道くらいの国土に約750万人が暮らす。日本とは対照的な歴史風土を持つ国だが、マリヤーナさんもミレンコさんも「日本の街も人も食も大好き」と、東京の下町で暮らしている。
 マリヤーナさんは首都のベオグラード芸術大学美術学部版画専攻を卒業後、2010年から東京芸大日本画博士課程へ。ミレンコさんもベオグラード芸術大学工芸学部卒後、フィレンツェアカデミーで1年、2013年から東京芸大油絵修士課程。二人とも日本文化に憧れていたが、「予想していた以上に日本は素晴らしい国」と、語り始めたら止まらない。

東日本大震災とセルビア大洪水で互いに支援活動

作品ファイルを手にしたマリヤーナ・アンジェリッチさん(右)とミレンコ・ステヴァノヴィッチさん(左) =写真協力 Masa GOCHO

作品ファイルを手にしたマリヤーナ・アンジェリッチさん(右)とミレンコ・ステヴァノヴィッチさん(左) =写真協力 Masa GOCHO

 地理的には遠い国だが、5年前の東日本大震災では、セルビア国内で支援活動が繰り広げられ、欧州一の義援金が寄せられた。2014年5月、セルビア国土が大洪水に見舞われた時には、日本から多くの募金が送られ、両国の関係は緊密になった。
 さらに2014年秋にセルビアが誇る民族舞踊団が、東日本大震災復興支援と洪水支援への返礼として来日。東京や仙台での公演活動を通して、交流の輪は広がった。昨年の暮れ小平市で開かれた「みんなでつくる音楽祭」でも、「セルビア日本音楽交流推進の会」が参加。同会代表でバイオリニストの角崎悦子さんらの演奏に、市民も共に歌い演奏して盛り上がった。「音楽の次はアートを」という声も出て今回のアート展へ。

音楽に続いてアート展も小平で

ミレンコ・ステヴァノヴィッチさん独特の雰囲気の洋画「谷中墓地」35×49㌢

ミレンコ・ステヴァノヴィッチさん独特の雰囲気の洋画「谷中墓地」35×49㌢

 来日して3年、ミレンコさんが最近惹かれているのは、神社仏閣や上野不忍池、谷中墓地など日本独特の雰囲気や自然の光を油絵で描くことだ。19世紀末の後期印象派的技法を駆使した作品には、ミレンコさんの美意識とナイーブさが滲んでいる。
 昨秋、2015年院展(日本美術院展覧会)日本画の部で、入選を果たしたマリヤーナさんは来日して7年目。和紙や岩絵の具など日本の画材に惚れ込んでいる。「和紙は繊細で産地によって性質も風合いも違い、滲み効果も素晴らしい」と、熱っぽく語る。日本の画材と日本画の技法を探究しながら、母国の歴史や文化、アイデンティティを作品に昇華させたいそうだ。
 アーティスト二人の作品展は0号から150号まで30点余出品。
 同展世話役の後調(ごちょう)正則さん(小平市)は「遠い国、セルビアから日本に来て、慣れない環境で日夜キャンバスに向かっている二人が、なぜ日本を選び、描き続けているのか、桜の春、小平の白矢画廊でその答えを探してみませんか」とメッセージを。

 ▽同展は4月8日~13日11~18時、初日は13時から。入場無料。
白矢画廊(小平市美園町1-4-12)へは西武線小平駅南口から
グリーンロードを西へ徒歩1~2分、白矢眼科医院隣。
電話番号:042-341-0235

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