バラに元気をもらって 小針伊代さん あきる野市 今年もオープンガーデン5月12日~30日

立体的に構成され変化に富む花壇

立体的に構成され変化に富む花壇

 遅ればせだった桜も終わりに近づき、百穀を潤すという穀雨の候、草木の緑が輝き始めた。あきる野市油平(あぶらだい)の小針家でも、40本あまりのバラの棘の間に、花芽が覗き始めた。同市の花いっぱい運動の一環であるオープンガーデンに、5月12日から30日まで参加、庭を公開。

花のある暮らしをしてきて

花がら摘みに忙しい伊代さん

花がら摘みに忙しい伊代さん

 JR五日市線秋川駅南口から歩いて10分ほど。油平総合運動場に沿った坂を下って、道なりに上った住宅街の一角にあるレンガ塀の洋館が小針家。小針伊代さんがにこやかに迎えてくれた。
 「外壁には淡いピンクのピエール・ド・ロンサールと濃いピンクのアンジェラを。門扉の上のアーチには、純白のアイスバーグを這わせて、バラに包まれる雰囲気に」と、語る伊代さんのウェアもバラ模様で、愛用のレースの帽子にも、バラの飾りがエレガントだ。
 一気にバラムードに包まれるが、元は純和風の家と庭で、「バラを育てて、バラの好きな人が集える場にしたい」と、15年前に改築。バラ作りに挑んで10年余り。オープンガーデンを始めて6~7年に。
 秋留台地の南端に位置する油平は、江戸時代に開かれ、エゴマやゴマなど燈火用作物が栽培されていた地で、伊代さんの生まれ育った時代は農村だった。「父母も花が好きで、畑で折々の花を育てており、私も高校時代から生け花を習って、花のある暮らしをしてきた」と言う。

バラを見に訪れる人々に支えられ

02_P117_01_41 「今はバラが命」と語る伊代さん。2年余り前、胃の全摘手術を受けたが、5月にはバラを咲かせなくてはの一心で、リハビリに励んだ。
 「バラを育てるには力が要るの。背を伸ばしたり、腰をかがめたり、脚を踏ん張ったり…それがリハビリにつながった。心のリハビリにも」。
 バラ作りを始めた当時は、花はチューリップしか知らなかった夫の幸光(こうみつ)さん(69)も、講習会でバラ栽培や剪定、つるの誘引などを学び、力仕事は引き受けてくれる。何時も剪定鋏をポケットに入れている頼もしい存在だ。伊代さんのために無農薬の野菜やイチゴ、ブルーベリーも栽培しているそうだ。こうして庭園の公開を休むことなく続けて来れた。
 病気のこともオープンに話す伊代さんに、がん宣告で落ち込んでいた女性も、「闘う勇気を取り戻した」と語り、時々、近況を伝えてくる。
 「バラから元気を貰い、バラを見に訪れる方々と歓びを共にして、支えられ、癒されている」と。

最も好きなバラはダーリン

室内からながめ元気をもらっている

室内からながめ元気をもらっている

 小針家は家の敷地も含めて210平方㍍余りだが、パーゴラやオベリスク仕立てで変化を持たせ、ピンクのクイーンエリザベスや濃いラベンダー色のシャルルドゴールなどの大輪も。伊代さんのテイストで選んだプランターや鉢に、パンジーや桜草、ネモフィラなどの寄せ植えのコーディネートが素晴らしい。
 伊代さんの最も好きなバラは淡いオレンジ系のダーリンで、栽培が難しくて、まだ手がけてはいないが、2歳年下のダーリン・幸光さんとは「仲良く暮らそうね」と、愛情もいっぱい。ガーデンにも幸せが溢れている。

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