「エディット・ピアフ物語」に挑む 30年のシャンソン歌手人生をかけて -12月3日 青梅・宗建寺で 昭島の湯川さん-

 青梅線沿線を中心に、シャンソンを歌い続けて30年になる湯川あきさん(68=昭島市)が、挑む一人芝居「エディット・ピアフ物語」が12月3日16時から、青梅市の古刹・宗建寺で催される。「没後50年を過ぎても『愛の讃歌』『バラ色の人生』など、魂を揺さぶられるピアフの遺した歌に改めて向き合い、シャンソンの女王の実人生に迫りたい」と、湯川さんも歌手人生を賭けている。

ピアフの壮絶な実人生に迫りたいと

生徒のコンサートにゲスト出演=東大和市の老人ホーム気まま館で。衣装は福生市の中沢ひでこさんのデザイン

生徒のコンサートにゲスト出演=東大和市の老人ホーム気まま館で。衣装は福生市の中沢ひでこさんのデザイン

 ここ2カ月あまり、湯川さんは一人芝居のセリフの練習に追われてきた。
 売春宿で育ち、15歳から路上で歌い始め、フランスの国民的象徴として逝ったピアフの47年の生涯を、一人で演じて歌う「エディット・ピアフ物語」。その脚本はフランス語講師で訳詞家の相澤萌木さんに依頼したが、湯川さん自身もピアフの伝記を調べ上げ、壮絶な実人生に迫りたいと7回も書き直したと言う。
 A4用紙90枚にびっしりプリントされた脚本を手にしながら、「ピアフ自身が作詞した『愛の讃歌』は、心から愛した恋人を飛行機事故で失った悲痛を、愛し愛された歓びに昇華して歌っている。災害やがんなどで、連れ合いや家族の予期せぬ死を迎えることも多い今日、私自身もピアフに励まされる思いで練習をしています」と、湯川さん。

公務員として働きながらシャンソンの勉強を

「エディット・ピアフ物語」の上演女性トリオ。脚本とナレーション担当の相澤萌木さん(後列左)、アコーディオン伴奏者の松本みさこさん(右)と湯川あきさん

「エディット・ピアフ物語」の上演女性トリオ。脚本とナレーション担当の相澤萌木さん(後列左)、アコーディオン伴奏者の松本みさこさん(右)と湯川あきさん

 武蔵野市にある高校に在学中から合唱団のソリストとして、歌が上手だった湯川さんは卒業後、公務員として働きながらコンサート活動をしていた。23歳の時、銀座7丁目にあったシャンソンの殿堂「銀巴里」で、歓びや悲しみ、怒りも生々しく歌う詩とメロディに、衝撃を受けた。シャンソン歌手として活躍していた有馬泉さんの元へ駆け込み、レッスンに励んだ。仕事が終わると、ホールに急行し、歌った。公務員法に触れないよう、チャリティコンサートに絞っていた。
 27歳で鉄道マンと結婚。国立市に移り住んでから10年余は、二人の子育てに追われた。その後、羽村、昭島市に移り住み、39歳で歌手活動を再開。青梅線沿線で、精神障害者や高齢者施設支援などの小さなコンサートを重ねながら、56歳まで公務員として働き続けてきた。
 福生市で開催した阪神淡路大震災支援コンサートでは、700人もの参加者の前で歌った。当時、金子ゆかりでも200人しか集まらなかったそうだ。

ピアフの魂を古刹の本堂で

毘沙門天を本尊とする仙桃山宗建寺

毘沙門天を本尊とする仙桃山宗建寺

 青梅線沿線にはシャンソンが馴染まないと言われながらも、湯川さんは「142㌢の小さな身体で、交通事故や麻薬中毒、アルコール中毒に溺れながらも、イブ・モンタンやジルベル・ベコー、シャルル・アズナブールなどを育てたピアフを演じて、沿線の文化度をアップさせたい」と、自分を駆り立てている。

ピアフの魂に迫りたいと湯川あきさん

ピアフの魂に迫りたいと湯川あきさん

 今年の6月、パントマイムの公演を見に行った青梅市の宗建寺で、「この本堂ならピアフの魂も演じきれる」と、棚橋正道住職に交渉したところ、12月3日ならと了解を得られた。宝徳2年(1450年)開山の古刹ながら、ジャズギターライブやジャムセッションで住職も尺八を演奏するなど、地域に開かれた臨済宗建長寺派の寺院だ。青梅七福神の一つ、毘沙門天が祀られている。

■湯川あき「エディット・ピアフ物語」一人芝居&珠玉のシャンソンコンサート

12月3日(土)15時半開場、16時開演。チケット2500円。
申し込みは電話番号042-544-9722か電話番号090-9207-7006湯川さん。
宗建寺へは青梅駅から徒歩6分。青梅街道・住吉神社向かいの坂下。青梅市千ヶ瀬町6-734 電話番号0428-22-3580。駐車場15台。

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