お寺にアートを見に行こう 夜の鉄道写真展「よるてつ」-3月16日から小平市・照恩寺で-

 西武新宿線小平駅北口から徒歩7分。住宅街の中にある浄土真宗本願寺派のお寺、照恩寺(しょうおんじ)で、「アートプロジェクト」が3月16日からはじまる。第一回は、高橋俊輔さんの夜の鉄道写真展。地域に開かれた寺とアートの和やかなご縁をたずねてみた。

アートの世界に可能性を

展示作品のひとつ。福島県の会津若松から新潟県魚沼市まで走る只見線の大白川駅(新潟県魚沼市)=329×483㍉

展示作品のひとつ。福島県の会津若松から新潟県魚沼市まで走る只見線の大白川駅(新潟県魚沼市)=329×483㍉

 「お寺に参って仏様のお話を聞く。これがお寺にとって一番大切なこと」と、照恩寺住職の溝口賢亮(けんりょう)さん。しかし時代の変遷とともに、寺参りの習慣は減り、寺の存在自体が希薄になっている。その危機感もあって、「これからのお寺の形として、地域と関わりを持った活動をしていかなければ」と考えた。住職自身、アートに関心があり、老若男女に通じるアートの世界に可能性を感じた。
 初代が照恩寺を小平に建立したのは1964年。1975年生まれの溝口さんは、縁あって照恩寺に入寺し、昨年、三代目住職に。デザインや編集も自身で手がけた斬新なフリーペーパーやホームページなど、寺のイメージを覆す発信をしている。
 アートプロジェクトを発案し、作品展示するアーティストをブログで募集したところ、連絡してきたのが高橋俊輔さん(1988年生まれ)。高橋さんは、府中市と小平市に店舗のある石材店「みたま家」の跡取りでもある。 「作品を展示する場所を探す中、うちも石材店だから、お寺でやってみたいと思っていました」。
 テレビの映像カメラマンの仕事を経て、実家の石材店を手伝う傍ら、鉄道写真を撮っている。実は、近所の小平霊園を通して住職と面識もあったことは、連絡をとってからわかり、お互いに驚いたという。「ありがたいご縁がつながっていますね」と住職。

オシャレな夜の鉄道

新宿のネオン街を走るJR中央線=329×483㍉

新宿のネオン街を走るJR中央線=329×483㍉

 写真展では、寺の廊下や座敷に、夜の鉄道写真が10点から15点並ぶ。高橋さんの作品の中から、夜の鉄道写真を選んだのは住職だ。只見線や陸羽東線、小海線などのローカル線の列車が、闇の中で閃光のように息づいて見え、見る人のさまざまな感情を呼び覚ます。
 高橋さんは、撮影する日は朝から夜まで撮るが、特に夜の場合は「光の取り込み方で、電車の存在感をどう出してあげられるか」を考えると言う。「人里離れた夜の山の中に一人で行くから、ちょっと恐いですけどね」。展示会場に高橋さんがいるときは、撮影中のエピソードなども聞けるかも。
高橋俊輔さん(左)と住職の溝口賢亮さん。和風カフェの入り口のようなのれんがかかる照恩寺本堂入口

高橋俊輔さん(左)と住職の溝口賢亮さん。和風カフェの入り口のようなのれんがかかる照恩寺本堂入口

 住職がタイトルを「よるてつ」と決め、チラシのデザインも手がけた。こうした作業が好きなのも、アートプロジェクトを始めた原動力になっている。「若いアーティストや美大の学生さんの作品展、いずれは仏教と関わりがある展示もしてみたい。アートをきっかけにお寺で、いろいろな方と交流していきたいと思っています。ぜひ足を運んでみてください」

■第一回照恩寺アートプロジェクト 夜の鉄道写真展「よるてつ」(高橋俊輔写真展)

3月16日(金)~25日(日)10時~17時(金曜日のみ20時まで)。照恩寺(小平市美園町3-23-20)電話番号042-341-2935 照恩寺ホームページhttp://www.shouonji.jp/

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