自然の中で仕事支援 種まきから花壇管理まで オハナ農園 国分寺市

 コナラやクヌギの木々が天をつき、武蔵野の面影が残る国分寺市新町にある雑木林。新町樹林地と呼ばれるこの地の6分の1にあたる1325平方㍍を市から借りて農園を作り、障害がある人の就労継続支援事業(B型)を行っている団体がある。認定NPO法人Ohana(オハナ)だ。地域の人々と交流の輪を広げたいと、4月21日(日)10時~14時半、同所で「新町樹林地まつり」を開く。

道具を工夫すればできることがある

主に草花の育苗に使われる大ハウス

 国立駅北口から、稲荷神社経由戸倉循環バスに乗り、「新町」で降りる。樹高の高い木々があるので新町樹林地はすぐわかる。手入れされた花壇にはパンジーやスイセンが植えられていた。奥に小さなハウスが1棟、手前左に大きなハウスが一棟。入り口で堆肥用の細い枝をハサミで刻んでいる男性がいた。「彼は土振るいが得意なんだけど、本日は体調がすぐれないので、少し負担が少ない仕事をやってもらっています」と施設長の白瀬美弘さん。

施設長の白瀬美弘さん

 ハウスの中に入ると、3、4人の利用者さんが、ポットにヒャクニチソウの種を植えていた。種まきは繊細な作業だ。
 一粒、一粒ピンセットで掴んで植える人、ヒゴのような細い棒の先を水につけて、その水に種をつけてポットに植える人。植えた後も、種を鎮圧するための道具が用意されていた。
 「職員が代わりに種をまいて育てた方が早い。それでは支援にならないので、利用者さんたちが自分たちで作業ができるように、私たちが道具を工夫して作ったりします」と園芸療法士の資格も持つ職員の奥濱真奈香さんはいう。

ルーチンワークではなく仕事を丸ごと行う喜び

オハナが管理をしている花壇=国分寺市南町地域センター前

 育てた苗は、同市役所前や南町地域センター前など市内3カ所に植栽し、その後も管理している。
 「手入れをしているときに市民の方から、きれいねとか、ありがとうと声をかけられると利用者の皆さんもやりがいを感じますね」と白瀬さん。これが仕事を丸ごとやることで得られる喜びだ。
 畑ではホウレンソウやサヤエンドウ、コマツナと緑の野菜が収穫を待っていた。シイタケ栽培にも挑戦している。花や野菜の販売、事業所内で作っているパウンドケーキの販売も好評だ。
 同市から委託されて市内19カ所の清掃も請け負っている。利用者さんの体調、得意不得意も含めて、職員は朝と夕方に会議を開きシフトを工夫しているそうだ。
 障害のある人が行う作業は一般的に家屋の中で、ルーチンワークになることが多い。オハナは種から育て、花壇に植えるまですべてを利用者さんが行っている。野菜やパウンドケーキの納品も職員だけではなく、利用者さんも一緒だ。珍しいことだ。

職員と一緒にシイタケの原木にドリルで70の穴をあける作業中=オハナ農園

 NPO法人オハナは14年前に「支援を必要とする人は誰でも利用できる」をコンセプトにオハナ農園を開いた。これまで知的障害、若年性アルツハイマー、高次脳機能障害、うつ病、統合失調症といろんな人が利用してきた。現在主に知的障害のある人など21人(23歳~58歳。女性は2人)が登録。「園芸療法を活用し、その人なりに力を発揮し楽しく働けるように、一人ひとりのニーズに応えるべく、日々必要な支援を継続していきたい」と白瀬施設長はいう。

4月21日新町樹林地まつり

昨年の新町樹林地まつり。近隣の住民200人が参加した

 4月21日10時~14時半。チャンゴの演奏でオープン。11時と13時に園芸作業体験、サヤエンドウ、シイタケの収穫体験、花苗、野菜、イチゴの販売、フリーマーケット、カブトムシ幼虫観察などキッズコーナー、軽食、喫茶も。
 国分寺市新町1-18-9。駐車場はない。雨天中止。電話番号042-207-7687同農園

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