春、「大学生」になってみる? -地域を学ぶ・仲間ができる・時々〝先生〟にも-

誰もが先生、誰でも生徒「東京にしがわ大学」開校2年半 生徒は7歳~78歳、2500人超

 開校2周年イベントでリリアン編み体験(2012年9月、立川市)


開校2周年イベントでリリアン編み体験(2012年9月、立川市)

 多摩30市町村全域をキャンパスに見立てた「東京にしがわ大学(にわ大)」が2010年10月に開校して2年半が過ぎました。生徒は7歳から78歳まで2500人以上。でも、校舎も入試も授業料も年齢制限もない大学って? 「東京のにしがわ」ってどの辺? 「大学」って言うからには何かを学べるの?…… 春、新学期を迎えるこの季節。なんだか気になる「にわ大」を体験してみませんか。

「“多摩だるま”を知ろう!楽しもう!―だるま絵付け体験―」(2012年11月、瑞穂町)

「“多摩だるま”を知ろう!楽しもう!―だるま絵付け体験―」(2012年11月、瑞穂町)

 にわ大は、渋谷を拠点に生涯学習プログラムを提供する「シブヤ大学」のノウハウをもとに開校した、全国で7校目の姉妹校だ。これまでに開催された授業は80を超える。その内容は、着ぐるみ体験、ホタル鑑賞、競輪、フェイスブック入門……。室内で話を聞き物を作るのもあれば、青空の下で食べたり踊ったりする授業も。


 「にしがわおせちで迎えるお正月」(2012年12月、国立市)


「にしがわおせちで迎えるお正月」(2012年12月、国立市)

 そんなユニークで幅広い授業を「仕込んでいる」のは、多摩地域にゆかりのなかった会社員もいれば、ポケモン好きな小学生もいる。地域の魅力を共有したいと思う人たちが授業コーディネーターやスタッフとなって日々思考を凝らしているという。
 授業は、授業コーディネーターが自分の得意分野や伝えたいこと、学びたいことなどからテーマを決めて会場と先生を探す。

「盆栽教室」の授業の際の佐藤さん

「盆栽教室」の授業の際の佐藤さん

 今年3月、「ちいさな盆栽教室」をコーディネートした佐藤えりなさん(29=川崎市)は2年前、地下鉄のフリーペーパーの記事でにわ大の存在を知った。ホームページから伝わるのんびりとした雰囲気に惹かれ、学生登録。ワクワクしながら1人で授業に出かけた。第一印象で「生徒も先生も積極的で学ぶことを楽しんでいるな」と感じ、間もなくスタッフに。昨年1月には授業コーディネーターとして、太陽の光を部屋に取り込むアクセサリー「サンキャッチャー」を作る授業を企画した。
 新潟県出身の佐藤さん。それまで多摩地域に縁はなかったが、東村山市の職場に通ううちに、のびのび働けるローカル感が心地よく感じるようになったという。

「緑の中で“いごこちのいい場所”を探す」(2012年8月、日の出町)

「緑の中で“いごこちのいい場所”を探す」(2012年8月、日の出町)

 そんな中で出合えたにわ大。9月には第1子を出産予定で、通勤時間を考えて“にしがわ”への転居を検討中だ。「未知の土地の魅力に気付き、仲間もできた。にわ大イコール地域との関わり。出産後も自然につながっていけたら」

学長・酒村なをさん にわ大ならではのコミュニティー目指す

OLYMPUS DIGITAL CAMERA 開校時から学長を務める酒村なをさん(29=立川市)にこれまでの手ごたえや今後の抱負を聞いた。
――どんな広がりがありましたか
 「多摩地域で活動の場を広げたい」と望む若い世代が多かったのは予想以上でした。小学生もシニア層も授業に携わるなど、年齢の幅が広い。多摩在住の人が生徒の6割を占め、生活圏の近くに面白いこと、面白い人を探している人が多いのかもしれません。
――にわ大らしさとは
 暮らしに根付いた授業が多い。開校当初めざした「長屋的な居心地の良さ」には近づけていると思います。
――これから目指すのは
 メンバー誰もが主体的に全ての過程に関わることができる、にわ大にしかできない新しいコミュニティー作り。もし実現すればにわ大は社会にとって「希望」となる。加わりたい、広げたい、という人も増えると思うのです。

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