こんなときだからこそ… 花いっぱいで迎えたい 森田オープンガーデン(小平市)

 新型コロナウイルスの爆発的な感染拡大を防ぐため、東京都など7都府県に、緊急事態宣言が発せられて10日。「足腰の衰えを防ぐためにとか、買い物のついでに気分転換を」と、立ち寄る人が絶えないと、草むしりの手を休めず語る森田光江さん(74)。玉川上水・小川橋から50から60㍍下流の左岸に広がる「森田オープンガーデン」では、初夏の花カモミールも咲き始めた。

花から元気をもらう

これからのシーズンは、草むしりとの闘いだと言う森田さん

 「もう咲いている! たくさん咲いたわね」と、ヒメリンゴの木を見上げながら感激の声を上げる女性は、国分寺市内から訪れたと言う。会合やサークル活動は自粛しても、家に閉じこもりきりでは心が折れてしまう。足腰の筋肉も衰えるので、新緑の玉川上水沿いを歩き、同ガーデンで花々に会うと、元気になると話す。「コロナの感染は食い止めたいけど、体力がダウンするのも怖いよね」と、森田さんが手を休めた。
 二人の足下では、原種チューリップが白い花弁を勢いよく開いて、華やいでいる。数年前に2~3個の球根を植え付けたら、年々ふえて、今春はガーデンのあちこちで可憐な姿を。「原種のチューリップは丈夫ね。他の植物もふえるに任せているから、まさにナチュラルガーデン。私も花から元気をもらってるの」と、森田さん。

野菜畑の片隅で花を育てて

蕾は淡いピンクだが、開花すると純白になるヒメリンゴ(姫林檎)の花。秋には小さな林檎が真っ赤になる

 森田さんによると、小平市でオープンガーデンがスタートしたのは2007年春。個人の庭やカフェ、ボランティアの手で育てられている地域の花壇など、現在26カ所が通年、あるいは開花期に公開している。
 森田家では、スタート以前から農地の一角に花畑を設け、公開してきた。
 同市の農家で生まれ育った光江さんは、子どもの頃から花が好きだった。兼業農家だった森田家に嫁いでからも、農地の片隅にヒマワリやコスモスなど、好きな花を育ててきた。「花なんか植えて」と、こぼしていた夫が13年前に、あっという間に他界。一時は寝込むほど落ち込んで……。でも、花が待っていると思うと、やる気が戻ってきた。

カモミールの花を浮かべたカモミールティ。クッキー付きで1杯200円

 「夫が生きていた頃は野菜畑に花を少し。今は花畑に野菜を少し」と、1000坪弱のガーデンを花で埋めている。クロッカス、水仙、福寿草が春を告げ、サンシュユ、菜の花、チューリップ、初夏の花といわれるヒメリンゴ、カモミールも今月早々から咲き始めた。「何種くらい育てているの?」と聞かれても、「分かんない」と。

花は友だちも作ってくれる

原種チューリップ。6枚の花弁の表面は白く、裏側は淡いピンク色。チューリップはトルコ原産で同国の国花

 今年は暖冬で雨量も多く、ガーデニングには最高だと思っていたら、コロナ禍で複雑な気持ちだが、光江さんは「こんな時局だからこそ、訪れる人を花いっぱいで迎えて上げたい」と、通路を歩きやすくしたり、ベンチや椅子を増やしたり。
 ウッドデッキのお休み処では、朝採れのノラボウや菜の花などが1束100円、カモミールの苗も1株100円で販売。「この間のノラボウは美味しかった」と、訪れた顔なじみに「カモミールティを飲んで行かない? 昨日から咲き始めたの」と、光江さんもひと休み。カモミールはリラックス効果がある。「花は友だちも作ってくれる」と言う。

ガーデンに設けたウッドデッキのお休み処で、顔なじみとカモミールティでおしゃべりを

 ガーデニングのコツを訊ねたら、「愛情よ」ですって。玉川上水の落ち葉と生ゴミ、糠を混ぜて1年寝かせた堆肥を、土に漉き込む。土作りと草むしりに人知れず追われている。
 同ガーデンは年中無休、入園無料。電話番号090-4220-2061森田さん。

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