出会いとふれあい求めて 陣馬山麓築三百年の古民家 ギャラリー&カフェ 森のアトリエ 八王子市

 陣馬山の麓、「夕焼け小焼け」の童謡の生まれ故郷としても知られる八王子市上恩方に、築300年になる古民家にギャラリー&カフェ「森のアトリエ」がオープンして5年半、「物置状態になっていた座敷を活用して、出会いとふれあいの場にしたかった」というオーナーの石井美保子さん。元居間や、客間、寝室などを開け放ち、手作りウェアやストール、バッグ、陶器やガラス器などなどで賑わう。石井さんの手づくりランチも「ヘルシーで美味しい」と評判だ。

老後を楽しんで暮らす

田の字型間取りの4部屋を開け放った古民家ギャラリーは、手づくりグッズで縁日のよう

田の字型間取りの4部屋を開け放った古民家ギャラリーは、手づくりグッズで縁日のよう

 中央線高尾駅北口から陣馬高原下行きバスで約30分。甲州裏街道とも呼ばれた陣馬街道沿いを走る車窓には、板塀や長屋門の旧家、「夕焼け小焼け」の作詩者・中村雨紅の歌碑や墓石が目に入る。下川井野バス停から50㍍ほど戻った辺りの門口に、「森のアトリエ」と書かれた標識が目印だ。


 「老いても元気で暮らすには、人とのふれ合いが大事」と語る石井美保子さん


「老いても元気で暮らすには、人とのふれ合いが大事」と語る石井美保子さん

  前庭に面して合体させた新旧2棟の西側、褐色の板壁の古民家は、石井さんによると「築300年ぐらい。仏壇の位牌によると、石井家は1472年、室町後期からこの地に住み、代々大事に暮らして来たと、夫の両親から教わりました」。
義父母は他界、3人の子ども達も巣立ち、夫が定年を迎えた時、石井さん夫妻は「老後は旅行やサークル活動に出かけるより、我が家で人と出会ったり、ふれ合える場を作ろう」と、物置同然になっていた古民家を補修してギャラリーに。

趣味や習い事で広げた仲間の手づくり作品を委託販売

 増築した1階のゆったりとしたカフェには薪ストーブも


増築した1階のゆったりとしたカフェには薪ストーブも

 ギャラリー開設にこぎつけたのは2013年春。元中学の国語教師の美保子さんは義母の介護で49歳のとき退職。1年余り介護に追われた後、50代は陶芸、料理、彫金、洋裁、染物、バッグ作り、紅茶教室…と趣味、習い事に勤しんだ。
 それぞれの場で仲間に恵まれ、出品に協力してくれる。「プロ級のベテランが多く、作品も収納に困るほど抱えている人が多いの」と美保子さん。
 4部屋と縁側を開け放った広々としたギャラリーには、手づくりならではの温かみのあるウェアやストール、バッグ、焼き物、ガラス器、アクセサリーなど質も量も圧巻だ。「委託料を取らないので、かなりお買い得」と、毎月1日~15日の開館中に何度も訪れる人も。

自家栽培の野菜を使ったランチも予約で1000円~

自家栽培の野菜や地場産の蒟蒻などを使ったランチ

自家栽培の野菜や地場産の蒟蒻などを使ったランチ

 増築した住居の1階は訪ねてくれる人に、ゆっくり、楽しく時を過ごして貰いたいとカフェに。コーヒー、紅茶、ジンジャーエール、サイダー、本日の甘味各400円。2日前までに予約をすればランチも1000円~2000円。夫の里実さんが畑で栽培した野菜、地場産の蒟蒻、よもぎ蕎麦などに、フランス料理も本格的に学んだ美保子さんの手料理と、コレクションしてきた器も愉しい。
 毎月、テーマ作品展も。今月は特別に21日まで開店。八王子市の画家で絵本作家・おくださがこさんの水彩画展と秋の帽子・洋服展。11月1~15日はスケッチ刺繍&リース・クリスマス展。

 ◇森のアトリエ=八王子市上恩方4603。4~12月1~15日11~17時開店、月曜定休 電話番号:090-4383-0387。高尾駅北口バス①乗り場から陣馬高原下行きは毎時34分発。

Comments are closed.