書店を併設 いい時間を過ごせる場に 胡桃堂喫茶店 国分寺市

ゆとりとやすらぎのある喫茶コーナー

ゆとりとやすらぎのある喫茶コーナー

 高層マンションの建設が進む国分寺駅北口近くに、昭和レトロ調の「胡桃堂(くるみどう)喫茶店」が開店して約2カ月。グルメサイト「食べログ」のカフェ部門で、全国一になったこともある西国分寺駅前「クルミドコーヒー」の2号店で、渋い色調のフロアの一角と壁面は書店コーナーに。新刊本と古書も商う店内には、時間もゆっくりと流れて…。

昔からあった風情の店を

店主の影山知明さん

店主の影山知明さん

 国分寺駅北口から歩いて5分ほど、国分寺街道・本町一丁目交差点角に建つ灰色の2階建てが「胡桃堂喫茶店」だ。
 新築ながら、懐かしさが漂う店舗について、店主の影山知明(43)さんは「昔からあった風情の店に」と、家具内装はアンティークか古材を加工。窓ガラスも年代物風に。照明は白熱球かフィラメントを使った器具にこだわり、柱に藍染和紙を貼る作業に、喫茶スタッフも力を合わせた。
 影山さんは西国分寺駅南口の生家を、集合住宅に建て替え、その一部に「クルミドコーヒー」を開店させた。新規のビルや人が町と自然につながれる場所はカフェではないかと考え、喫茶店経営に取り組んで8年になる。カフェは飲食を提供する場であるが、一人でもグループでも楽しめる時間と空間を提供する場でありたいと言う。

植物を育てるみたいに

ケの日のランチ「お雑用ご飯」

ケの日のランチ「お雑用ご飯」

 西国分寺店の“洋”に対して、国分寺店は“和”の雰囲気を重んじて、コーヒー(浅煎り、中煎り、深煎り、水出しアイスコーヒー、各750円税別)の他、国分寺市内産の緑茶と焙じ茶、玄米茶もメニューに加えている。
 また、地域の暮らしに根付いてきた「ハレの日とケの日」の風習に倣い、7月7日七夕や9月9日重陽の節句など年間7回はハレの日メニューを。その他のケの日はごく普段の献立で。先日のランチタイムには、「お雑用(ぞよ)ご飯」(900円税別)と称した具だくさんの大椀味噌汁とご飯、香の物、佃煮の小皿。素朴だが季節の食材を使い、丁寧な仕事が伝わってきた。
 お菓子メニューの黒豆寒天や最中などに使っている黒豆もあんこも、同店厨房でことこと煮ているそうだ。
 一杯のコーヒーやティー、一人ひとりとの出会い、日々の営業を通して深まる縁、それらは木々が枝を伸ばして行くみたいで、「植物を育てるみたいに、お店を育てたい」と、影山さん。
 両店とも胡桃を店名にしたのは、生家付近に広がっていた雑木林と重なり、堅い実の中に旨い種があり、「来る未来」への思いも重ねている。

新刊と古書コーナーも

階段の壁面を利用した古本コーナー

階段の壁面を利用した古本コーナー

 最近、カフェコーナーを設けた本屋が登場して話題になっているが、本とカフェは惹かれ合う関係ではなかろうか。
 胡桃堂喫茶店内の書店コーナーのそもそもは、1号店の顧客から始まった。二人の女性が長年書き溜めたドキュメンタリーやエッセーを本にして、読者に届けたいと2013年、影山さんはクルミド出版を立ち上げた。これまで5冊の本を出版している。
本づくりの過程を通して印刷所や出版関係、ライターとのつながりも密になり、「100年経っても読み継がれる本を作り、売って行こう」と、同喫茶店に書棚を設けた。さらに、顧客が大事にして来た本の新しい出会いの場として、古書コーナーも。新刊書と古書含めて1000冊のスペースを設けてある。
 影山さんのモットーは「ゆっくり、いそげ」である。

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◆胡桃堂喫茶店
 8時~19時営業だが、水・金・土曜は書店タイムとして22時まで開店。
 木曜定休。
  住所:国分寺市本町2-17-3
  電話:042-401-0433
HP:http://kurumido2017.jp/

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