ミツバチと花と人が共に4年 「ありがとう、くにたち蜜源ガーデン」 -6月から3回連続講座 国立市-

 ミツバチと花と人が生きる場として、2012年春に国立市谷保の生産緑地に誕生した「くにたち蜜源ガーデン」。農家と二人の市民養蜂家、二つのNPO法人の協働で、年間60種の蜜源植物を育て、240㌔を超す蜂蜜を採集できるまでになったが、農地所有者の他界により今年末に閉鎖が決まった。移転先も模索中だが、この機会に「ありがとう、くにたち蜜源ガーデン」と題して、6月5日から全3回連続講座が開かれる。

採蜜に約20人が集まった

蜜がぎっしり詰まった巣礎を持つ飯田さん

蜜がぎっしり詰まった巣礎を持つ飯田さん

 南武線谷保駅から10分あまり南下すると、古くからの田園地帯が広がっている。その一角にある「くにたち蜜源ガーデン」で先日、今春3回目の採蜜作業が行われた。
 クローバーやラベンダー、ヤグルマギクなどが咲き乱れるガーデンに、採蜜用の遠心分離機が設置され、「NPO法人くにたち富士見台人間環境キーステーション=略称KF」「NPO法人みつばち百花」のメンバーなど約20人が駆けつけた。
 市民養蜂家の一人、飯田典子さん(国立市)の育てた巣箱の蓋を開けると、甘い香りが広がった。正六角形が隙間なく並ぶ巣礎(すそ)枠を2枚ずつ遠心分離機にセットして、赤いハンドルを回すと、働き蜂が集めてきた蜜が巣礎から弾かれ、分離機の底にたまる。分離機の下部にある口の弁を開くと、トロトロとした液体が漉し器に流れ落ち始めた。一橋大生の逸見悠人さんら殆どの参加者は、採蜜をするのは初めてで、「ワーッ、本物の蜂蜜だ!」。こうして採取した蜂蜜は国立市の学校給食に昨年は40㌔、今年は100㌔提供できるようになった。

ミツバチがつないだ仲間

採蜜用遠心分離機の赤いハンドルをまわして蜜を採る

採蜜用遠心分離機の赤いハンドルをまわして蜜を採る

 かつては2300世帯で賑わった国立富士見台団地の高齢化、周辺商店街の衰退などの危機感からスタートして、15年になるNPO法人KFは、一橋大生や市民が協力してカフェや地元産の物産店、イベントなど多様な事業を展開。事業の一つ「まちかど教室」で、5年前「ミツバチがつなぐ夢」講座を開催した。全8回出席した飯田さんはフォトジャーナリストで、バラをテーマに写真を撮っていたらミツバチに出会い、その不思議さに惹かれて、自ら養蜂を手掛けることに。
 ミツバチは花から蜜と花粉をもらい、代わりに植物の受粉を助け、再生産を促す循環型の生態を確立した昆虫で、近年では農産物の35%を支えている。安定した農業生産、食糧の確保に、ミツバチの重要性は増しているが、蜜源植物は減少の一途だ。

採れたての蜂蜜がトロリ

採れたての蜂蜜がトロリ

 「NPO法人みつばち百花」(朝田くに子代表。事務局は三鷹市)は、蜜源・花粉源植物を増やす活動を続けており、谷保の農家からも協力を得られて、梨畑だった1200平方㍍ほどの土地に、2012年春から蜜源植物を栽培できることになった。

ミツバチへのお返しを講座で

蜜源ガーデンでヤグルマギクの蜜を集めているミツバチ

蜜源ガーデンでヤグルマギクの蜜を集めているミツバチ

 春から夏には1匹の女王バチと数千~数万匹の働きバチ(雌)、約千匹の雄バチで集団生活をしているミツバチ。飯田さんは同ガーデンの一角で10群を養蜂。女王バチは卵を産むのが仕事で毎日約1500個の卵を産み続ける。

採蜜に集った仲間たち

採蜜に集った仲間たち


 強い群を育てたいと女王バチに五郎丸とかディーンなど人気者の愛称をつけ、蜜源となる草花を、NPO仲間と育ててきた。「蜜源ガーデンは閉鎖せざるを得なくなりショックですが、これまで4年間、ミツバチや草花を写真にも撮り、楽しませてもらった。お返しにそれらの体験と画像を講座で見てもらいたい」と、飯田さんは微笑んだ。

■KFまちかど教室「ミツバチがつなぐ夢」~ありがとう、くにたち蜜源ガーデン~

 ◇第1回「ミツバチの好きな花」 6月5日(日)13時半~15時。講師:佐々木正己・玉川大学名誉教授(NPOみつばち百花顧問)ミツバチの専門家から生態について聞き、ミツバチ花と人との関係が良好になることで生まれる豊かさについて考える。終了後希望者は「くにたち蜜源ガーデン」見学。
 ◇第2回「ミツバチのいる暮らし」 7月3日(日)13時半~15時。講師:飯田典子さん(市民養蜂家)ミツバチに魅せられた市民養蜂家から「くにたち蜜源ガーデン」でのミツバチとの体験談を写真を交えて。ガーデンで採れた蜂蜜とハーブティも楽しむ。 
 (※第3回は秋に蜜蝋を使ってローソク作りを予定)
 司会は両日とも朝田くに子・NPOみつばち百花代表。各回30人。要申し込み。参加費は各回1000円。会場はKFまちかどホール(国立駅南口からバス。矢川駅行き、谷保駅行きなどで、「富士見台第一団地」下車。南武線谷保駅から5分)
 申し込みは平日13時から17時 電話番号042-573-1141(machi.info@gmail.com)同ホール

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