妻の「切手はり絵」を夫の額縁が飾る 結婚50周年記念展 -3月27日~29日・八王子市-

 50円や80円などの使用済み切手で制作した「切手はり絵」展が3月27~29日、八王子駅北口の八王子学園都市センターホールで開かれる。羽を広げた孔雀やオードリー・ヘップバーンの肖像画など、渡辺悦子さんが制作したはり絵35点を、夫の一純(かずよし)さん手作りの額縁が飾る。八王子市南大沢に住む夫妻が、結婚50周年記念の作品としてお披露目する。

夫の器用さを見直す

「孔雀」750×420㌢

「孔雀」750×420㌢

 南大沢の閑静な住宅街にある渡辺家ではマリリン・モンローの肖像画や、アジサイなどバラエティに富んだ労作を並べて、一純・悦子さん夫妻が迎えてくれた。
 昨年5月、結婚50周年を迎えた夫妻は、記念展をと、互いに作品づくりに励んできたそうだ。「ヘップバーンの顔も孔雀の羽も、古切手なんですよ」と、言われて目を近づけると、50円とか80円の文字や消印が読み取れた。見覚えのある切手も多く懐かしい。細かく丹念な作業に気が遠くなりそうだった。
 「これらの額縁はすべて主人の手作りで、器用さを見直しました」と悦子さん。一純さんは「はり絵に集中している妻をサポートできないか」と、定年後、身に付けた木工技術で、額縁を作り始めた。1点1点に木の材質やデザインを考えて仕上げるが、最後の色だけは悦子さんが指定しているそうだ。

集めた8000枚に挑戦

種類別に仕分けした古切手

種類別に仕分けした古切手

 悦子さんは還暦を迎えた時、一番苦手なことにトライしてみようと、パソコンを習い始めた。もうダメと思いつつ、ワードとエクセルの指導員の資格を取るまで頑張った。「パソコンを通して自分の世界が広がった」と言う。
 3年前、古希を迎えた時にも、悦子さんは何かに挑戦したかった。30年ほど前、使用済みの切手で制作したモナリザの絵をテレビで見て以来、いつか自分もと、コツコツ溜めていた古切手が8000枚にも達していた。
 ある日、新聞の全面広告の孔雀の写真が目に止まった。その色彩の素晴らしさに感動して、古切手で再現できないかと、格闘すること3カ月あまり。
 広告制作会社に完成作の写真を送ってみたところ、社長からメールが届き、社員全員に配信する「社長通信」に掲載してくれた。「やれば出来る」と悦子さんに自信がついてきた。

美しさを生かしたい

作品展開く妻の渡辺悦子さん(右)と夫の一純さん

作品展開く妻の渡辺悦子さん(右)と夫の一純さん

 はり絵を手掛けるようになって、ごく普通の切手でも、色とデザインの素晴らしさを見直したという悦子さんは、できるだけ切らないで使う。まず、得意なパステルで描いた画を見ながら、古切手で再現していく。どの切手を如何に使うか…ひらめくまで苦しむが、切手を貼り合わせていくと、意外な効果や面白みが出て、苦労も報われる。

人との絆が広がる

 一昨年の夏、「切手はり絵コンテスト」に応募してみた。豊島区目白にある「切手の博物館」で実施しており、11回目の一般自由部門で、悦子さんの「ワインとブドウ」が最優秀賞に輝いた。
 それまで古切手で貼り絵をしていることは黙っていたが、「素敵ねぇ! 古切手ならあるわよ」と、はじめは友人たちから、さらに口コミで友人の友人たちからも、使用済み切手が届くようになった。
 寄せられた切手は一晩水に浸し、封筒部分と糊分をはがして新聞紙の上で乾燥。種類別に仕分けして空き箱へ。現在30人以上から次々に寄せられるそうで、渡辺家のリビングの片隅には、約230種に仕分けした切手の箱が山積みになっている。
 「古切手を通して見知らぬ人とつながり、その輪が広がっていくことが幸せ」と、渡辺夫妻は顔をほころばせた。

結婚50周年記念「手作り額縁」と「切手はり絵」展

3月27日(金)~29日(日)10~17時(最終日16時まで)。
八王子駅北口徒歩4分。八王子東急スクエアビル11階・学園都市センターホール。
入場無料。電話番号:042-675-0955渡辺さん

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