命の温もり求めて 吉川潔さんの木彫・陶彫展 -2月21日から羽村市で-

「生きること」をテーマにした立体作品で、昨秋、2017東京展最高作品賞を受賞した造形・人形作家の吉川潔さん(70=小平市)の作品展が2月21日(水)から羽村市生涯学習センターゆとろぎで開催される。風は冷たくとも、光に春を感じる季節。木や陶で生み出された“命”、温もりのある母子像など造形作品を訪ねてみませんか。

チェコで人形劇を学び1000体余制作

「生きること」の意味を問いかけてくる東京展賞の大作

「生きること」の意味を問いかけてくる東京展賞の大作

 「森の妖精たち」など愛らしい木彫人形で知られる吉川さんだが、ここ4~5年は命や生きることをテーマに、立体像に挑んでいる。「制作できる時間が限られて来たからかな」と、口にしながら、創造意欲を燃やしている。「作家としてのキャリアがまだ浅いから」とも言う。
 幼少期から絵を描いたり、モノを作ることが好きだった。幼稚園から大学まで一貫教育の学校に通っていたから、学業はそこそこに、吉川さんは中高時代から雑誌にイラストを描き、大学在学中に絵本の挿絵作家デビューした。黙認してくれた両親の手前、経済学部を卒業したという。
 卒業後は児童教育に関わり、チェコ・プラハにある国立芸大演劇部人形劇科に留学。本場で人形制作や舞台芸術を学んで来た。帰国後は数多くの人形劇団で人形制作と舞台美術を手掛け、デザイン・制作したキャラクターは1000体を超える。

55歳から作家スタート 命あるものを大切に

子に注ぐ母の眼差しが温かい東京展賞作品の本体・母子像の顔部分

子に注ぐ母の眼差しが温かい東京展賞作品の本体・母子像の顔部分

 「そろそろ個人としての作品を創りたい」と、2000年から吉川さんは作家としてスタート。55歳からの再出発で、一片の木から創り出す喜びとロマンを求めて来た。素彫りのヒノキの木目が温かく、人肌のように感じられる作品が魅力的だ。
 個展と企画展開催を重ねる一方、美の祭典・東京展にも10年ほど前から出品してきた。表現と発表の自由、ジャンルを問わない展覧会で、吉川さんの立体作品「生きること」は昨秋の43回展で最高の東京展賞に輝いた。
 青銅色の母子像のボディからハスの茎葉が4本伸び、それぞれの葉の上にも木彫の母子像。頭頂から伸びる花茎の上には、サラリーマン風の男性像が立つ。高さ3・6㍍にも及ぶ立体作品だ。自作について多くは語らない吉川さんだが、人も自然の一部で、命あるものを大切に…という思いが伝わってくる。

東京展賞「生きること」展示 子ども対象体験教室も

チェコと日本の昔話を題材にした妖精マリオネット

チェコと日本の昔話を題材にした妖精マリオネット

 東京展賞「生きること」は展示できる場所が限られるので、今月21日から、羽村市生涯学習センターゆとろぎ(青梅線羽村駅東口から徒歩8分)で、展示されるのはグッドタイミングだ。  母子像など木彫と陶作品・家族の情景など30~40点を展示する他、吉川さんが人形劇を学んだチェコ共和国が今年、建国100年を迎えるのを記念して、チェコと日本の昔話を題材にした妖精マリオネットも展示する。同国大使館・チェコセンターが後援。
 2月25日には吉川さんによる、子ども体験教室も開かれる。

吉川潔さん

吉川潔さん

 ▽「コルク粘土でつくるキーホルダー」2月25日10時半~、3歳以上(小学3年以下は保護者同伴)、20人。材料費100円。
 ▽「木の枝で作るマリオネット」2月25日14時~、小学1年以上(小学3年以下は保護者同伴)、12人。材料費500円。申し込み受付2月17日から9~17時ゆとろぎ(電話番号042-570-0707)へ。
 ■同展は2月21日(水)~3月4日(日)10~17時(最終日は16時まで)月曜休館。入場無料。
 ▽吉川潔カフェ・ギャラリー「アトリエ・パネンカ」=国立市中2-15-21。見学希望者は電話番号090-3500-8325へ電話予約を。

Comments are closed.