秋川渓谷雛めぐり 3月11日まで檜原街道筋で 約40カ所に段飾りや吊るし雛

ピンクの吊るし旗と紺地の壁掛けが目印

地場産の木材で内装した「体験茶や」の七段飾りと店主の坂本司さん。火、水定休

地場産の木材で内装した「体験茶や」の七段飾りと店主の坂本司さん。火、水定休

 秋川渓谷の玄関口、武蔵五日市駅改札口を出ると、「秋川渓谷雛めぐり」のピンクの吊るし旗がひらひら。この旗と雛飾りをプリントした濃紺の壁掛けが目印で、店内に雛飾りが展示されている。
 駅舎のリニューアルや檜原街道の拡張工事で、街道筋は一変しているが、江戸時代から5と10のつく日に市が開かれ、薪炭や木材供給地として栄えてきた名残りを求めながら歩くと…。
 製麺業150年になる「寿美屋」は、江戸時代は炭問屋で、副業にそうめん作りを始めたのが屋号の由来で、大正時代の別棟母屋で蕎麦懐石の店も。店内に展示されている内裏雛は、当主夫人が結婚する時に実家から送られたもので、五日市にはこのように送り雛の風習が近年まであったという。
 「この七段飾りを飾るのは30年ぶり。娘が結婚して家を離れて以来」と語るのは、ヘアーサロン・ハヤシの林利照(としあき)・のり子さん夫妻。蔵に仕舞い込んだままだったが、同雛めぐりを主宰する「五日市活性化戦略委員会」の内山章さんに背中を押されて、画家で手先も器用な利照さんは、ぼんぼりや簾、吊し雛も手づくりするほどの凝りようだ。
 のり子さんによると、薬局への往復に立ち寄るのを楽しみにしている老婦人は「舅姑に続いて夫の介護にも追われる一生で、お雛様を見るのは何十年ぶりかしら。心が癒される」と話してくれたと。

のんびり、ゆっくりと

市倉家住宅に展示されている昭和35年頃の御殿飾り雛。火、水定休

市倉家住宅に展示されている昭和35年頃の御殿飾り雛。火、水定休

 菓子づくり200年という菓子処「枡屋」店主の内山さんは、イベントは場所が限られ、天候にも左右される。期間中ゆっくり、のんびり歩いて、土地の人との触れ合いや発見をと、去年から雛めぐりを実施したそうだ。「特別な雛飾りを展示しているわけではないが、商店ではお客さんとの会話が増えた」と話す。
 築130年の由緒ある古民家を、街の活性化と地域の中心的存在にと、リノベーションされた「五日市壱番館」。地場産の木材で内装した1階の「体験茶や」の土間には、70年前とされる七段飾りが展示されている。「お顔に品があり、保存状態も素晴らしい」と、抹茶やコーヒーで一服したり昼食をして行く人も。同店2階は「五日市ごえん分校」と称したイベントスペースで、「ヒトとマチのご縁をつくる」活動を展開。3月11日まで土、日曜14時から「あきる野鳳友会」メンバーによる琴の生演奏も。3日は15時から。無料。

豪華な享保雛や御殿飾り雛

HAIR SALONハヤシ駐車場に展示された雛飾り。林利照さん(左)と菓子処「枡屋」の内山章さん

HAIR SALONハヤシ駐車場に展示された雛飾り。林利照さん(左)と菓子処「枡屋」の内山章さん

 五日市郷土館敷地内に復元移築されている「旧市倉家住宅」には、明治から大正、昭和30年代の段飾り、豪華な御殿飾り雛、長寿と夫婦円満を込めた高砂人形などが約50組が展示され壮観だ。いずれも地元から寄贈されたもので、かつての暮らしの一端が偲ばれる。郷土館内には座高が約45㌢もある。大型の享保雛が展示されている。
 西武信用金庫五日市支店とあきる野市役所五日市出張所には、五日市小児童の描いたお雛さまやイラスト色紙が展示されている。
 電話番号042-558-1111あきる野市環境経済部商工振興課

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