八王子の地域文化を再発見 村松英二さんのコレクションで 『絵葉書でみる八王子市の100年』発刊

4月28日、29日 地元で展示会も

 昨秋、三多摩地区で初めて市制施行100周年を迎えた八王子市。同市に生まれ育った村松英二さん(38)が、大正6年(1917)市制施行から100年をたどる異色本『絵葉書で見る八王子市の100年』を4月末日に発刊する。4月28日、29日には八王子駅北口、八王子市学園都市センター11F第1ギャラリーで、記念展示会も開かれる。

小学3年から歴史少年

八幡町二丁目付近から八王子駅方向を写す

八幡町二丁目付近から八王子駅方向を写す

  かつて八王子駅北口に立つと、正面に「織物の八王子」と書かれたロウソク型のタワーが聳えていた景観を表紙にした同書は、A4判76頁。地元の出版社「揺籃社」から刊行される。
 “八王子のシンボルタワー”とも呼ばれたタワーは八王子織物産地買継商業組合の寄贈で昭和35年(1960)に設置され、平成7年(95)11月に北口再開発で解体、撤去された。

八王子駅北口のタワーと正面通りを表紙にした『絵葉書でみる八王子市の100年』。昭和39年(1964)撮影

八王子駅北口のタワーと正面通りを表紙にした『絵葉書でみる八王子市の100年』。昭和39年(1964)撮影

 当時、まだ高校生だった村松さんは、小学3年生の頃、郷土学習で歴史に興味を持ち、古い写真や資料収集が趣味の歴史少年だった。「八王子市は昭和20年8月2日の大空襲で市街地の90%が瓦礫と化し、当時を知る人も残り少なくなり、IT化と断捨離の時代で、紙の資料、ことに写真資料がますます貴重な存在になっている」と言う。
 10年余り前から八王子地域周辺の写真や絵葉書などの収集を始めた。

一番多いのは高尾山

「写真や絵葉書も、地域の歴史の資料の主役にしてほしい」と語る村松さん

「写真や絵葉書も、地域の歴史の資料の主役にしてほしい」と語る村松さん

 村松さんによると私製絵葉書は明治33年(1900)、郵便制度改正で発行が許可されている。八王子は近世以降、織物産業で大発展を遂げ、関東各地より物資の集まる要衝として、鉄道も発達。人の往来も盛んだったため、絵葉書が数多く発行されてきたのではないかと言う。
 高尾山を題材にしたものが一番多く、大正天皇(1926年12月25日崩御)が葬られている多摩御陵への参拝者向けの絵葉書も、数多く販売されている。同市では写真館が発行したケースが多く見受けられると言う。

市制施行記念行事には祝煙火(花火)大会も

大正6年10月2日、浅川河川敷で行われた、八王子市制祝煙火大会

大正6年10月2日、浅川河川敷で行われた、八王子市制祝煙火大会

 写真や絵葉書を読み解いた同書によると、八王子市の市制施行は大正6年9月1日で、その日に祝賀会が催されたが、10月2日に市制祝煙火大会と施行祭が行われている。前日に予定されていたが、東京湾の高潮で浅川が増水したため、翌2日に実施された。
 浅川河川敷で打ち上げ花火を見物する群衆、市中心街での市制施行祭りの賑わいなど4枚セットで、当時、横山町にあった市川写真館から発売されている。当時の人口4万733人。現在約56万2000人。
 織物工場や八王子織物の宣伝葉書、甲州街道沿いの八日町、横山町、八幡町、八王子駅周辺など157点の写真絵葉書と解説で構成されている。
 村松さんは「子どもや大人にも親しめる絵葉書から、地域の文化を再発見して、次の100年に向けて輝いて欲しい」と話している。1500円+税で市内のくまざわ書店、有隣堂などで発売、2000部限定。

 ▽出版記念展示会=4月28日(土)、29日(日)9時~18時、八王子駅北口東急スクエアビル11階、八王子市学園都市センター第1ギャラリー。会場でも販売。電話番号042-620-2626揺籃社。
 ★抽選で5冊プレゼント。3面参照。

Comments are closed.