フランス発 ガストンのきぶんをととのえるえほん 『かなしくなったら やってみて!』 など3冊

日本語訳を手掛けた 垣内磯子さん


[左頁]「このいきのしかたを3かいくりかえそう。ほら、くもをおいだせたよ あたまのなかにおひさまが きらきら」と書かれ、お日様の絵が [右頁]何もかも上手くいっていい気分になり、虹色のたてがみになったガストンの姿が描かれている=『かなしくなったら やってみて!』より

 フランスの児童心理学から生まれた気分を整える絵本1組3冊が、13言語に翻訳され、世界で20万部以上の大ヒット。詩人で童話、絵本作家の垣内磯子さん(75=小金井市)が手掛けた日本語版『おこりたくなったら やってみて!』『かなしくなったら やってみて!』 『こわくなったら やってみて!』が主婦の友社から先月、同時刊行され、人気ランキング上昇中。垣内さんと同世代にも受けている。

幼児から高齢者も身につけたいガストンの呼吸法

「幼児の頃から扱いにくい感情をコントロールすることが大事。子育て中の父母や高齢者にも必要ね」と語る垣内磯子さん

 「急ぎの仕事だけど引き受けてくれないか」と、垣内さんが編集者から依頼を受けたのは今年の梅雨明け前後だった。持ち込まれた3冊の文と絵は、フランスの児童心理学者で、児童書作家オーレリー・シアン・ショウ・シーヌさん。一角獣の子どもガストンを主人公に、気分を整える呼吸法を絵本にしたシリーズで人気作家に。
 「ハウツーものを翻訳するのは初めてだったけど、ガストンが愛らしくて…」と、フランス語版ガストンの気分をコントロールする絵本3冊各20頁を、垣内さんは1カ月で翻訳した。半分は絵だけの頁で、呼吸法のメソッドは、4~5歳児にも分かる言葉を選び、短く優しく表現するのは難しかった。
 翻訳を終えた垣内さんは「最近は切れる子ども、環境に馴染めない子も多く、事件や事故にもつながりがち。幼児の頃から怒りや恐れ、悲しみなど扱いにくい感情を、コントロールする方法を身につけておくことも大事ね。子育て中の父母、心身の衰えが気にかかる高齢者層にも、ガストンの呼吸法は効果的ではないかしら」と、話している。
 同年輩の友人から「私たちにも参考になった」と、言われたという。

童話作家になりたい夢を

 4~5歳の頃から童話作家になるのが夢だった垣内さんは、早稲田大学仏文科卒。在学中に詩集「なんでもない風」で、小野梓記念芸術賞を受けて詩人デビューした。 
 結婚後も3人の子育て中、友人から家庭新聞通信の話を聞いて、1987年5月から毎月、はがきで詩通信を始めた。その第一号で「詩を書きます」と告げ、「どこかで 誰かが 朝起きて わたしに話したいと思うことがあったら、どんなに嬉しいことでしょう…」と20行ぐらいの詩を、郵便はがきに印刷。友人知人に送った。絵やイラストの得意な友人に頼み込んで、詩に添えたりデザインしてもらって3~4年。その地道な活動で「サンリオ詩とメルヘン賞」を受賞した。
 受賞式会場で「絵本や童話などファンタジーも書いてみたら」と奨められ、キンダーブックなどに童話を書くようになった。以来30年余、垣内さんが書いた絵本、童話、翻訳絵本は『ながい おるすばん』(あかねや書房)、『真夜中、くすり屋では…』(フレーベル館)他100冊以上に。
 「オリンピック・パラリンピックを目指しているアスリートも、よく口にしているけど、夢を持つことが大事。私は夢に向かって詩や童話を書くことで、気分をコントロールしてきたみたい」と。

 ガストンのきぶんをととのえるえほん『おこりたくなったら やってみて!』『かなしくなったら やってみて!』『こわくなったら やってみて!』は、各縦横18・5㌢、32頁。本体980円+税。主婦の友社(東京都)刊。問い合せ?03・5280・7577同社広報。
 ★抽選で3冊一組を2人にプレゼント。3面プレゼント欄参照。

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