入院中の子どもたちが「アイビー」の絵で参加 ファシリティドッグ支援の“絵コバッグ”展 -11月15日~21日・東村山市でー

 「ファシリティドッグ」を知っていますか。ハンドラーという5年以上の臨床経験を積んだ看護師と共に、入院中の子どもの元に毎日通い、治療が楽になるよう寄り添う、特別に訓練された犬。「アイビー」はそのうちの1頭で、今年8月から東京都立小児総合医療センター(府中市)に通っている。入院中のふたりの男の子がアイビーの絵をバッグに描いて展示販売する「犬と生きるこども」が、11月15日から東村山市で開かれる。

トミくんとアイビーの出会い

アイビーを真ん中に、ハルくん(左)とトミくん。お母さんが作ったお気に入りのメガネとヒゲ

 同病院に入院しているトミくん(9歳)が、初めてラブラドールレトリバーのアイビーと会ったのは、薬がどうしても飲めずにいた日。アイビーとハンドラーの大橋真友子さんが病室にやって来た。少し遊んでから、大橋さんが「アイビーと一緒にお薬を飲もう」と励ますと、嫌な薬がなんとか飲めた。これをきっかけにトミくんは、どうしたら薬が飲めるか考え、薬をカプセル状にしてもらった。
 トミくんの母親、智恵子さんは、アイビーとの出会いが「子どもが前向きな気持ちになること」を後押ししてくれたと感じている。
 欧米で誕生したファシリティドッグの活動が日本で始まったのは2010年。NPO法人シャイン・オン!キッズ(東京都)が、特別な訓練を積んだ犬と、5年以上の臨床経験を持つ看護師をハンドラーとして派遣している。医療経験者がハンドラーになることで、治療内容を把握し、体調や医療機器にも目を配ってサポートできる。部屋を訪問し、子どもと一緒に遊び、ベッドの上でぬくもりを分け合い、ときには辛い治療や手術に付き添うこともする。

同室のハルくんも描き始めた

綿のバッグに布インクで1枚1枚描いた絵コバッグ【上】トミくんの作品【下】ハルくんの作品

トミくんがアイビーの絵を描いていると、同室のハルくん(9歳)も描きだした。ふたりともアイビーが大好きで、家に帰りたくなるときも「今日はアイビーと会えるかな」と考えると「ちょっとがんばろう」と思えるという。
 日本には現在、ファシリティドッグはアイビーを含め4頭しかいない(うち1頭は引退)。1頭を1年間活動させるには、約1000万円かかり、クラウドファンディングで2年分の資金を確保したが、活動を継続させ、さらに頭数を増やすには、もっとお金が必要だ。トミくんとハルくんも、この活動が広まり、他の病院の子どもたちもファシリティドッグの訪問を受けられるようにと願っている。

バッグにアイビーの絵を描いて

和紙造形作家にしむらあきこさん

 和紙造形作家のにしむらあきこさん(東村山市)は、子どもたちとアイビーのことを知り、応援したいと考えた。以前から企画していた「こどもの絵コバッグ展」の第一回を、トミくんとハルくんの絵で開催することに決めた。「自分たちが描いた絵をみんなが見て、アイビーのためのお金も集まって、ふたりが少しでも楽しい気持ちになってくれたら」と、にしむらさん。
 「絵コバッグ」は、一枚1500円から1万円で販売。寄付金箱も用意し、集まったお金は経費を除きすべてNPO法人シャイン・オン!キッズのファシリティドッグの活動に寄付する。トミくんとハルくんが病院で描いたアイビーの絵や、ファシリティドッグについてのパネル展示もある。

こどもの絵コバッグ展 vol.1「犬と生きるこども」

11月15日(金)~21日(木)10時~15時半。17日(日)のみ18時まで。会場・古民家を再生した多目的文化施設・百才(ももとせ)内「アトリエ紙と青」(東村山駅から徒歩8分。東村山市久米川町4-46-1)。問い合わせ:golaagotaa@nifty.com(西村さん)

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