姉と妹で作るつるし雛 秋川渓谷雛めぐり -2月9日~3月10日-

 秋川渓谷沿いの村々に春を呼ぶ雛めぐり。今年も2月9日(土)から3月10日(日)まで武蔵五日市駅から戸倉までの檜原街道沿で開かれる。3回目の今年は武蔵増戸駅周辺の9店舗も参加し、合わせて約50店舗の店内や店先に段飾りや内親雛が飾られる。中でもJAあきがわ五日市支店に飾られるつるし雛は迫力があると毎年評判になっている。制作に忙しい南沢トシさん(83)と浦野洋子さん(76)姉妹を訪ねた。

ちょっとした家事の合い間にできる

雛めぐり出品の準備をする南沢トシさん(右)と 妹の浦野洋子さん

雛めぐり出品の準備をする南沢トシさん(右)と妹の浦野洋子さん

 武蔵五日市駅から歩いて20分ほどの南沢さん宅のこたつで「フクロウは不苦労、福来郎とも書くから縁起もの。人にあげると喜ばれる」とつるし雛のモチーフの一つフクロウを作っていた南沢さん。
 型紙にそってちりめんの布を切る。返し縫いで、縫い合わせて、手芸綿を詰めて閉じて仕上がり。「後は木工用瞬間接着剤で目を付けるだけ。簡単だよ」。
 つるし雛づくりは、自己流で覚え13年になる。パッチワークをしている二番目の妹に、つるし雛の作品展に誘われたのがきっかけで始めた。当時、「面倒だからやらない」と言っていた末の妹の浦野さんも「見ているとかわいいし、ちょっとした家事の合い間にできるから、私も作るようになりました」と笑う。
 「秋川渓谷 雛めぐり」が始まった時に、JAあきがわ五日市支店から頼まれて出品するようになった。

子どもへの親の願いを込めて

俵ねずみ

俵ねずみ

 一基(サークル)から5本の紐を下げ、一本に5つか7つのモチーフを付ける。モチーフは縁起物ばかりだ。俵ねずみのネズミは、大黒様のお使いであり金運と霊力がある。俵は五穀豊穣の意も。赤目のウサギは病気を治す力があると信じられていて、病気になってもすぐ治るようにとの願いが込められている。

赤目のウサギは病気を治すと信じられている

赤目のウサギは病気を治すと信じられている

 つるし雛を飾る風習は江戸時代後期から始まったと言われている。「女の子が生まれると元気に育つようにとプレゼントするけど、親しい人が亡くなった時も、冥途まで一人じゃさびしいだろうから、お供にと、首に飾ってあげてお見送りする」と。
 南沢さんは5人姉妹の長女。末っ子の浦野さんが生まれる前に父親はニューギニアで戦死。母親の米子さんは、幼い子どもたちを和裁の仕立てで育てた。

人気のフクロウ。南沢さ んの作。浦野さんのフク ロウは足元に茶色の紐を 横に付けて、止り木付き

人気のフクロウ。南沢さんの作。浦野さんのフクロウは足元に茶色の紐を横に付けて、止り木付き

 母親も働き者だったが、南沢さんも定年まで、近くの老人ホームのヘルパーとして働いた。つるし雛作りを始めたのは、母親(享年93)を自宅で看取ってからだ。

「雛めぐり」のしるし旗が目印

「布はちりめんじゃないとノリの付きがわるい」と浦野さん

「布はちりめんじゃないとノリの付きがわるい」と浦野さん

 3年前から「五日市活性化戦略委員会」が「秋川雛めぐり」を企画。「お客さんとの会話が増えたと参加店は喜んでいます」と同戦略委員会の内山章さんは言う。参加店にはピンクの「雛めぐり」という旗がかかっている。参加店によって、営業時間、休日が異なるので要注意。
 五日市郷土館の敷地内に復元移築された旧市倉家住宅には明治、大正、昭和30年代の段飾り、御殿飾り雛など50組が展示。3月3日(日)①11時~11時40分、②13時~13時40分、あきる野鳳友会による箏の演奏がある。
 電話番号:042-558-1111(内線:2531、2532)あきる野市商工振興課

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