緑の中で珍しい蓮を楽しむ

8月末まで 府中市

今が最盛期の「知里の曙」6月25日撮影

JR南武線・京王線の分倍河原駅からバスで約10分の所にある「府中市郷土の森公園」。広い園内にある修景池では、蓮の花が見頃を迎えている。30種類ある蓮の中には、他ではなかなか観賞できない貴重な品種も楽しめる。

蓮の観賞は朝がオススメ

「大賀蓮」の花 6月25日撮影

「郷土の森正門前」でバスを降りると、目の前に緑の公園が広がる。奥には本格的なゴーカートに乗れる交通遊園や総合体育館、バス道路を挟んで反対側には郷土の森博物館(有料エリア)がある。
蓮の花は、昼過ぎには閉じてしまう。修景池では、朝早くからカメラマンの人気スポットができていた。「知里の曙(ちりのあけぼの)」という種類の蓮が、約50輪の花を咲かせていた。

大賀博士と古代蓮

大賀一郎博士

池の手前に「ハス博士大賀一郎先生」の銅像がある。70年前千葉県検見川で採取、博士が蘇らせた縄文期の古代蓮「大賀蓮」は、修景池で見ることができる。
岡山県生まれの大賀博士(1883―1965)は、東京帝国大学で蓮の研究を始め、南満州鉄道中央研究所(満鉄調査部)植物班主任として大連にいた時、古蓮の実と出会う。その後、生涯蓮の研究に没頭、晩年を府中で過ごした。博士の蓮を府中市が受け継ぎ、大賀蓮始め30種の蓮を今、修景池で管理している。

天然記念物や、偉人の名前が付いたものも

写真の「中日友誼蓮(ちゅうにちゆうぎれん)」のように2メートル以上に成長する品種も。去年、花が終わった後の果托を、乾燥させて保管していたもの

例年、大賀蓮はだいたい7月半ばで花は終わるが、今年は開花数が少ないので「もしかしたら8月に咲いてくれるかもしれない」と、同園管理事務所長の佐藤良一さん=写真右=は期待している。
大賀蓮以外にも、1500年前の古代蓮「中尊寺蓮」や、石川県の天然記念物の「妙蓮」、インドの初代首相・ネールや、中国革命の父・孫文の名前の付いたゆかりの蓮(酔姫蓮・すいひれん)などは、とても貴重な品種で「一般に開放された市民公園で、普通に観賞できるなんて!とよく驚かれます」とのこと。
希少種というだけでなく、交配しやすい蓮が30種類も同じ池で育てられているのも珍しい。そのため、池の中で地下茎が他の品種と交わらないよう、コンクリートの囲いがある。地下茎が成長していっぱいになるので、3年毎ぐらいに土を全部入れ替え、古い地下茎は捨て、若いものだけ戻す作業をする。「実は蓮の管理は重労働なんですよ」と佐藤さん。
蓮の花は、8月いっぱい楽しめる。晴れた日にはちょっと早起きして自主“観蓮会”に出かけてみては。
■府中市郷土の森公園 JR南武線・京王線「分倍河原」駅からバス「郷土の森公園正門前」下車。電話番号042-364-7214郷土の森公園管理事務所
■郷土の森博物館では、7月4日まで9時〜17時(入場は16時まで)、ミニ展示「大賀博士とハスの図譜」開催中。大人300円、子ども150円。電話番号042-368-7921同館

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