「がまくんとかえるくん」誕生50周年記念 アーノルド・ローベル展 3月28日まで 立川市
小学2年生の国語の教科書にも登場する「がまくんとかえるくん」。原作者のアーノルド・ローベル(1933〜87)は、20世紀のアメリカを代表する絵本作家の一人で、54年の生涯のうちに100冊を超える絵本を制作した。原画やスケッチ約200点やアニメーションで紹介する、日本初のローベルの個展が立川駅北側の「GREEN SPRINGS」の2階奥「PLAY!MUSEUM」で開かれている。
子どもも大人も一緒に楽しめる場所
「絵本そのものだけでなく、広い空間で子どもから大人まで、絵本の世界を一緒に楽しめる開かれた場所にしたい」と、企画プロデューサーの草刈大介さん(48)。展示の入口は絵本の扉のように、展示会の題字とがまくんかえるくんの挿絵、そして作者のアーノルド・ローベルの写真が飾られている。
前半の展示では、ローベルの作品がどのように出来上がっていくか、貴重な原画やスケッチなどで紹介。
また、ニューヨークで生活したローベル一家の写真やホームビデオなどから、心温かくユーモアに富んだローベルの人物像に迫る。病気がちで寂しい子ども時代を過ごしながらも、絵本の世界に生きることで、ローベルは没後30年以上経っても世界中で読みつがれる人気の絵本作家となった。
物語の中に入り込む
後半の展示スペースへのアプローチがいい。草原を思わせる幾重にも重なった薄い緑色のアーチ型カーテンの下で、壁に飾られた国語の教科書にある「おてがみ」の絵と文を見ながら道なりに歩くと、絵本を1ページずつ読み進んでいる感覚になる。
来場者には、がまくんとかえるくんの特製カードを4種のうちからランダムでプレゼント。思わず自分も誰かに“おてがみ”を出したくなってしまう。
テントのような空間の中では「つみきのいえ」のアニメーション作家・加藤久仁生さんの、がまくんとかえるくんのオリジナルショートムービー「一日一年」も特別上映されている。
ワークショップやカフェメニュー、グッズも
展示階の上階、子どものための屋内広場「PLAY!PARK」ではアーノルド・ローベル作「なくしたぼたん」に関連したワークショップコーナーも。台の上にたくさん置かれたボタンの中から、がまくんが落としてしまったたった1つのボタンを探し出すのは「実は大人でも結構難しいみたいです。親子で一緒に楽しんでいただけたら」と、キュレーターの小栗里奈さん。
同展覧会に関連して、入口脇のカフェでは展覧会限定メニューや、隣接のミュージアムショップでは関連文具、雑貨、お菓子などもある。