本と野菜で心と体に栄養を 

本屋さんのマルシェ 野崎書林・東久留米市

ブックマルシェを仕掛けた野崎林太郎さん

店(330平方メートル)の15パーセントがマルシェスペース

西武池袋線「東久留米駅」の西口ロータリーに面した「野崎書林」。駅前の好立地にあり、木を取り入れた店内は明るく、本棚が低く風通しも良い。新刊本や雑誌、漫画本やDVDまで並ぶ町の本屋さん。この店の一画に、地元産の新鮮野菜や加工品、花苗など、地域のこだわり商品を販売するマルシェができた。「地域を豊かにする本屋」として人気を集めている。

地域が育んだ豊かな恵みを集めて

落花生も同市の特産品。柳久保かりんとうも人気商品(後)

店内が広々として、本の品揃えも充実

小松菜、大根の間引き菜、枝豆、落花生、ナス、きゅうり、ピーマン。今が旬の野菜はどれも見るからに新鮮でおいしそう。陽光がたっぷり入る明るいスペースに白木のラックとボックスが並び、野菜のほか、特産品の柳久保小麦やジャム、ドレッシングといった加工品、クラフト製品などもある。市内で100種以上の花苗を生産する「秋田緑化農園タネニハ」の季節の花苗も揃う。これらすべて、東久留米市内で作られたものだ。
運営する「ブックセンター滝山グループ」の野崎林太郎さんは、「地域を豊かにする。これがポリシー」と話す。東久留米柳窪で「奈良山」を屋号に持つ江戸時代から続く農家が実家で、現在は主にブルーベリーを生産している。父親の代から始めた書店業は、ネットショップの隆盛などもあって厳しい時代を迎えているが、だからこその前向きな改革として、書店と地元産野菜販売の複合化を実現させた。
コロナ禍で休業していた期間を利用して店舗全体をリニューアルし、5月15日にマルシェがスタート。こんな時期なので大きな宣伝をしなかった。にもかかわらず、口コミで広まり、今では午前中に主な野菜は売れてしまうほどだ。

野菜を買うついでに本も買う

店の外からもガラス越しに花や野菜がみえる

「フレッシュ&ローカル」が信条

「毎朝10時に朝採れ野菜を届けてもらいます。賛同してくれる農家に声をかけて、現在は8つの農家が仲間。それぞれ庭先での直売などもやっているけど、駅前のこの立地で売ることは大きく、どの農家も生産量は増えています」。
売れ行きを見て、午後にも野菜が届くなど臨機応変。それぞれ少しずつだが種類は多く、選ぶ楽しみも十分ある。
「東京で農業を続けるのは大変です。都市農業は、小さな農家がその地域の中で特長を生かして細かく売って行くことが大切。葉ものが得意な農家、伝統野菜が得意な農家、枝豆ならこの農家と、それぞれが得意なものを少しずつ集める。うちも農家なので生産者の都合がわかるから、出せるときに出せるものを出してもらうというフレキシブルなやり方です。これからさらに仲間を増やしていきたい」
書店の在り方も見直していて、「知識がある書店員を担当者として、ジャンルごとの選書にも取り組んでいます」。得意な野菜を届ける農家のように、得意な本の知識を伝えられる書店員を育てていく。
「量や値段や効率ということより、鮮度と質と思いを大事にしたい」
■野崎書林 東久留米市本町1-3-1。10時〜22時 年中無休。電話番号042-479-0201。インスタグラム nozakishorinmarche

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