昭和初期の洋館と和館 竹林と雑木林に囲まれた「カフェおきもと」 10月4日オープン 国分寺市

アメリカ直輸入の木製玄関ドア

国立駅南口から徒歩10分足らず、国分寺崖線の高台に潜む沖本邸(国分寺市内藤2丁目)。竹林と雑木林に囲まれた約2000平方㍍の敷地に、人知れず佇んできた昭和初期に建築された洋館と和館の国指定有形文化財を目指し、洋館は「カフェおきもと」として10月4日に生まれわる。和館は多目的ギャラリーに。

竹藪の中の沖本邸姉妹

コロニアル様式といわれるアーリーアメリカンスタイルの洋館

17年前、沖本邸の近くに越して来た久保愛美(なるみ)さんは、竹林の中で暮らしている人がいるとは思えなかった。竹林と雑木林でジャングル状態だったが、当時、沖本京子さんと智子さん姉妹が住んで維持していた。共に80歳前後で、姉の京子さんは東京女子医科大学卒業で東大の大学院で博士号を取得、医師に。神経内科女医の第一号で、医師として現役、智子さんは自宅でピアノ教室を開いていた。近隣との付き合いは殆どなかったが、久保さんが時折り、総菜を差し入れたり、夕食やXマスに招くと喜んで訪れるようになった。
久保さんの夫も医師で、京子さんから「90歳になっても現役を続けたい」と相談を受け、仕事先を紹介したことも二度三度。さらに94歳で病気入院したとき、相続の相談を受けた。姉妹には相続者がいないのでと。

貿易商が別荘として洋館を建築

ジャングルとごみとの闘いだったけど……と、カフェ開店準備に勤しむ久保愛美さん

沖本邸の洋館は昭和7年(1932)、広島県出身の貿易商・土井内蔵の別荘として建築された。カリフォルニア大学で建築を学んだ同貿易商の甥・川崎忍の設計で、下見板張りのアーリーアメリカンスタイルの木造2階建て。簡素だが、外観も内装もモダンで細部まで手が込んでいる。5年後、海軍少将の沖本至に、その後、沖本家で数寄屋造りの日本家屋を設け、渡り廊下で和洋館をつなげた。
沖本家で生まれ育ったのは三人姉妹で、長女は早くに嫁ぎ、沖本至夫妻没後は次女と三女だけで暮らして来た。
久保さんが相続の相談を受けて2年後、2016年に京子さんは97歳で他界。残された智子さんも現在99歳で、施設に入所中だが元気という。

有形文化財国指定目指して

戦時中の弾痕が壁に残る広縁付きの数寄屋造りの日本家屋。茶道や句会、展示会など多目的ギャラリー・貸し室に利用

迷い悩み抜いた末、「古い建物は歴史の“生き証人”」「地域のシンボルに」と、久保さんは沖本邸の管理を引き受けることにした。
国分寺市でも、国指定有形文化財を目指しているが、維持費と固定資産税などを捻出するために、智子さんとも相談してカフェを開店することにした。
それからはジャングルとごみ屋敷との闘いだった。洋館の屋根はボロボロで、薄緑色の銅板に葺き替えた。下見板張りの壁面と窓枠、室内の壁面も塗り替え、雨漏りがしていた天井も補修。身動きできないほどのモノの仕分けと処分を終え、オールステンレスのキッチンも設けた。それらの費用は家が1棟建つほどに……。
和館・日本家屋は茶道や句会、展示会などの貸し室、ギャラリーとして、利用を呼びかけている。

人気シェフによるメニュー

煮込みハンバーグとDERI盛り合わせ〜ダッチオーブン提供

久保さんは恵比寿にある料理学校「レコール・バンタン」のカフェコースにも通った。「カフェおきもと」では、同校の講師でフードコンサルタント宮崎政喜さんをシェフに、メニューもこだわっている。宮崎さんは地域活性化アドバイザーとして、活躍している人気料理人。そのメニューは写真下参照。サイドメニューとスイーツも。
▷同カフェへは国立駅南口ロータリーから旭通りへ。130㍍先の角を左折し東へ。上り坂の最初の横断歩道を北へ折れて左折。竹垣に囲まれた竹林が目印。10月4日から毎週金〜月曜。営業時間/ランチ11〜14時LO、カフェ14時〜16時LO。国分寺市内藤2-43-9。電話番号042-572-1234。

■ランチメニュー セットドリンク付

◯牛肉のオムハヤシライス〜ふわふわ卵に特製デミグラスソース〜 1250円(税別)
◯煮込みハンバーグとDELI盛り合わせ〜ダッチオーブン提供〜 1400円(税別)
◯欧風カレーとキーマカレーのメリメロプレート 1250円(税別)

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