vol.16 「自分に還る」森のカフェ 檜原村笹久保

一軒家を改装したカフェは、よく見ないと通り過ぎてしまう

一軒家を改装したカフェは、よく見ないと通り過ぎてしまう

 今月1日、3カ月間の〝冬眠〟から覚めて営業を再開したのは、檜原村の民家カフェ「月見かえる」。武蔵五日市駅からバスに揺られること約40分、「笹久保」下車。6世帯が暮らす地区の一角にあるそのカフェは、オーナーの桜庭昌芳さん(38)が「自然に還(かえ)る、自分自身に還る」という意味を込めて名付けた。
 桜庭さんはここで暮らしながら、週2~3日は台東区の訪問介護施設で働き、金曜日と週末にカフェを切り盛りしている。同じく都内に仕事場のあるパートナーの女性と高校1年の長男との3人で、2013年4月に越してきた。

桜庭昌芳さん

桜庭昌芳さん

 桜庭さんは介護の仕事に就いて以来、「介護する人」と「される人」のくくりが出来ることに違和感があり、「様々な世代が関わり合える場としてのカフェを作りたい」との思いを温めてきた。また以前から、都内で仕事をしながらいつかは田舎暮らしを、との思いがあり、東日本大震災直後に知人の案内で訪れた檜原村が移住先になった。2年後に転居、その半年後にカフェをオープンした。
 メニューは、玄米プレートとスパイシーカレーセットのほか、月見プリン、おからのブラウニーなど。自家製ジンジャーエールや粉にこだわったコーヒー、紅茶、ハーブティー、チャイなど飲み物も充実している。
 米は、桜庭さんたちがオーナー制度に登録し、時々手伝いに行っている鴨川の棚田の有機米。地元産の野菜や厳選した調味料など、誰もが安心して口に出来るものを提供している。

旬の野菜の素揚げが添えられたスパイシーカレーセット(サラダ、ピクルス、スープ付き 1000円)

旬の野菜の素揚げが添えられたスパイシーカレーセット(サラダ、ピクルス、スープ付き 1000円)

 移住からもうすぐ2年を迎える。職場までは、車と電車を乗り継ぎ、3度乗り換えて片道約2時間半。「都心に出たくない」と思うときもあるけれど、「日々旅をしているようなライフスタイルは自分には合っていると思う」。ここへ来るのは「フラッと立ち寄るのではなく、わざわざ目指して足を運んでくれる人」。そんな人たちが週末の午後をのんびり過ごして帰っていく姿を見ながら、「都心と村をつなぐのがこのカフェの役割かな」と感じつつある。

Cafe月見かえる

金・土・日曜の11時~17時(12月~2月は休業)。
檜原村樋里4533 電話番号:042-588-5694
ランチセット700円~1000円、ドリンク300円~550円、デザート400円。
土曜日のみディナーあり(要予約)。
HP:http://tsukimikaeru.jp

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