vol.7 人がつながるゲストハウス(檜原村人里)

ゲストハウスの前でコンニャク作り。火にかけながらひたすらまぜる

ゲストハウスの前でコンニャク作り。火にかけながらひたすらまぜる

「人里」と書いてへんぼりと読む。檜原村の数ある難読地名の一つ、人里に昨年9月、村内初のゲストハウス「東京ひのはら村ゲストハウス へんぼり堂」ができた。
 築約120年の古民家の引き戸を開けると、いきなりの開放感。天井は吹き抜けで、足元は石が敷き詰められた延べ段になっている。1階は台所と18畳の和室に、日当たり抜群の縁側。2階は和室が3部屋。1泊3000円で宿泊できる。完成以来、地区の祭りに絡めたイベントや、ヨガ、座禅、草木染め、ソバ打ちなどのワークショップが開催され、村の内外から多くの人が出入りしている。

竹本さん(左)と鈴木さん(星野翼さん撮影)

竹本さん(左)と鈴木さん(星野翼さん撮影)

 仕掛け人は、管理人の鈴木健太郎さん(31)と造園家の竹本亮太郎さん(32)。「地方と都会の人がつながる場所を作りたい」との思いを抱いてきた鈴木さんと、檜原村に移住し、都内に通勤しながら村内の休耕地を活用するなどしてきた竹本さんとが2012年12月に出会った。2013年2月に物件が見つかり、5月から8月にかけて、友人や口コミで集まった仲間たち延べ約350人が改装に携わった。

ソバ・うどん・おやき・コンニャク……。盛りだくさんのこの日の講師は、村の“名人”おばあちゃん

ソバ・うどん・おやき・コンニャク……。盛りだくさんのこの日の講師は、村の“名人”おばあちゃん

 ウェブディレクターなどとしてITベンチャー企業「チームラボ」で6年間勤めた鈴木さん。神奈川県茅ヶ崎市で生まれ育ったが、幼少時から休みのたびに過ごした母の故郷、群馬県上野村で、過疎化が進む同村の変遷を目のあたりにしてきた。会社員時代から漠然と「過疎地の持つ力を生かして発展させていく仕組みを確立できないか」と思ってきたという。
 ワークショップは物を作る、身体を動かす、食べる、など「なんでもあり」なので、訪れる人の年齢も職業もばらばらだ。「繰り返し来たくなる気持ちをつなぎとめるのは村の人との交流」との想いから、近くの寺で座禅を組んだり村に移住した陶芸家を講師に招いたり。村の日常を壊さないように、でも、村の人にも楽しんでもらえるように心がけている。

M047_yama_‚Ö‚ñ‚Ú‚è“°map 今後は、ワークスペースやカフェを兼ねた2軒目にも着手し、畑の開墾も始める。100年続くイベントをめざして、村の人も都心の人も参加できる運動会「東京ひのはら村リンピック」の開催も考えている。「檜原村が、へんぼり堂に来た人のふるさとになれるようなきっかけの場所でありたい」

ゲストハウス へんぼり堂

武蔵五日市駅からバス「西川橋」下車1分。4月のイベントは「大雪で倒壊した窯小屋を再生!超突貫小屋作りプロジェクト」(19~20日)、「本気の草木染め体験」(26~27日)など。詳細はホームページなどで。

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