vol.59 甘味茶房 久森(ひさもり)

積み重ねられた歴史と土地の恵みを味わう

01_P150_tabe_02 代々、あきる野市の豪農で名主を務めていた森田家。1852年(嘉永5年)建築と言われる見世蔵の店は、重い扉を開けて一歩足を踏み入れたとたん、大きな包容力を感じる。太い梁や柱、重厚な質感に囲まれる安心感。座り心地の良い椅子に座ると、ほっとため息がこぼれる。
 あんみつや和風パフェ、夏はかき氷が人気の「甘味茶房」だが、平日だけ出すランチ(前日までに予約した分と、当日10食限定)の「季節の久森ランチ」(1500円。ドリンク付き1800円)をぜひ。肉や魚は使わず、野菜だけの豊かな味わい。なんとも言えずお腹に優しくて、それでいてしっかりと満たされる。
 店主の森田康大(やすひろ)さんによると、食材の多くが森田家の田畑でとれた米や野菜で、その他もなるべく地元あきる野産の野菜や調味料を使っているそう。なので「野菜の包み焼き」に使われる食材は季節によって少しずつ変わるが、新鮮野菜本来の味がシンプルな調理によって生かされていることは変わらない。
 じゃがいもの甘さとタマネギの甘さのそれぞれの個性の違いなどを楽しんだ。そのまま食べておいしいが、添えられたポン酢や味噌マヨネーズをつけて味を変えてみてもいい。味噌も森田家自家製。同じ敷地内に建つ見世蔵と同じく歴史ある味噌蔵で熟成させた味噌なので、まろやかさがひと味違うように感じられる。この味噌を使ったお味噌汁も、具だくさんの中身が季節によって変わる。
 JR五日市線東秋留駅南口から、徒歩10分ほど。熊野神社の隣。秋川にも近く湧水豊かな周辺は、食事の前や後の散策も楽しい。

店舗情報

住所:あきる野市小川633
電話番号:042-558-1852
営業時間:11時~18時(ランチは11時~14時半)
定休日:火曜日(祝祭日の場合は営業)

この歴史ある空間で「ゆっくりして」と森田さん。320年ほど前にやっていた酒造りも復活させるつもりだ

この歴史ある空間で「ゆっくりして」と森田さん。320年ほど前にやっていた酒造りも復活させるつもりだ

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