音楽に包まれた空間ゆっくり流れる時間
JR吉祥寺駅南口から西荻窪方向に徒歩7分ほど。繁華街の喧騒から離れた小さな店には、教会の椅子や学校の椅子などのアンティーク家具、アコーディオンやマンドリンなどの美しい楽器。マンドリンに似たブズーキという弦楽器をはじめとした、アイルランド音楽の演奏者である中村大史(ひろふみ)さんと妻の詩織さんが営む。
二人がふんわり思い描いていた、音楽を伝えられるカフェをいつかやれたらという夢が、この場所に前あったレストランの閉店をきっかけに実現、昨年4月に開店した。
料理学校を出てカフェの厨房で働いていた詩織さんが料理を、店内BGMのセレクトや月に一度の演奏会は大史さんが担当する。
スパイスを生かしたメイン料理と野菜たっぷりの副菜、サラダや赤米ごはんをワンプレートに盛り合わせたアルマカンプレート(950円・スープを付けると1160円)。料理もサービスも詩織さんひとりでやっているので、急いでいる人にはおすすめしない。「混むとお待たせしてしまうこともあるけれど、既製のものを使ってスピードアップしようとは思っていない」と詩織さん。コーヒーもハンドドリップでていねいに入れてくれる。忙しい日々にも時間をつくってここで過ごすことで、自分らしさを取り戻せる気がする。