vol.8 日本経済の長期停滞(1)

 これまで何回かにわたって、現在の日本経済を襲っている深刻な不況(「消費増税+コロナ禍不況」)について見てきました。まだ出口すら見えないこの不況からどうして日本経済を脱出させるのか、対応が急がれる重要な課題です。
ところが、現在の日本経済は、急いで解決すべき重要な課題をいまひとつ抱えています。景気の良し悪しにかかわりなく、日本経済が長期にわたり停滞状況を続けているという「日本経済の長期停滞」状態をどう打開していくかという課題です。
2012年の暮れに発足した第2次安倍内閣は、「バブル崩壊を大きな節目として、日本経済は現在に至る約20年間、総じて低い経済成長に甘んじてきた」として、「(安倍内閣は)『三本の矢』(いわゆるアベノミクス)を強力に推進していく」、そのことによって「今後10年間(13年度から22年度)の実質年平均2%程度の成長を実現する」(「骨太の方針」13年6月閣議決定)という目標を掲げていました。「日本経済を長期停滞状態から脱出させる」と宣言していたわけです。
ところが、安倍内閣はこの目標を達成できませんでした。13年度から(すでに実績が発表されている)20年度まで、八年間のGDP実質成長率(年平均)は2%はおろか、その十分の一の0・2%に止まってしまっているのです(コロナ禍の影響を強く受けた20年度を除き、13〜19年度の七年間平均で見ても、実績は目標の半分以下の0・9%です)。
アベノミクスは失敗した、日本経済は未だ長期停滞状況から脱出できないでいる、長期停滞からの脱出は引き続き日本経済が解決すべき重要課題として残っている、ということです(このテーマはあと、五、六回続ける予定です)。
(暮らしと経済研究室 山家悠紀夫)

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