vol.7 信号無視、信号機破壊の政権

 安倍政権の政策、あるいは安倍首相の言動については、「アホノミクス」とか「息を吐くように嘘をつく」などといった批判が行われてきました。他の分野については知らず、こと経済政策に関しては、「信号無視」、加えて「信号機破壊」の政権であったと言っていいと私は思っています。
まず、「信号無視」の件です。
19年10月に実施した消費税率の再引き上げ(8%→10%)がそれに当たります。18年10月をピークに、日本の景気は落ち込み始めていました。14年4月に安倍内閣が実施した消費税率の第一次引き上げ(5%→8%)の影響がとれず消費は落ち込んだまま、そこへ米中貿易摩擦の発生があり、中国向け輸出が落ち込み始めていたからです。
景気の動きを示す景気動向指数は、18年10月をピークに落ち込みが始まっていました。景気信号は、黄が点滅している状況にあったわけです。ところが安倍政権はそれを無視して消費税率の再引き上げを強行、深刻な不況の到来という事故を起こしてしまいました。
次に、「信号機破壊」の件です。政府がこうした(景気を悪くする)政策を採った場合に歯止めをかけるもう一つの信号機があります。株式市場がそれです。「このままでは景気が悪くなってしまう」と投資家たちが判断すると株価は下がります。必然、政策にもブレーキがかかります。ところが、その株式市場は安倍政権によって破壊されてしまっています。前回に見た通りです。日本経済は先行きが見えなくなってしまっています。
残念なことに、この「信号無視」「信号機破壊」の体質は、現在の菅政権にも引き継がれてしまっています。コロナ感染症拡大の下でのGOTO政策の強行(「信号無視」)、学術会議人事への介入(「信号機破壊」)がそれです。
(暮らしと経済研究室 山家悠紀夫)

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