vol.6 株価はなぜ高いのか

「株価はなぜ高いのですか?」
前回まで、四回にわたり、最近の日本経済について書いてきました。「リーマン・ショック並みの、あるいはそれを超えるかもしれない」大変な不景気に日本経済は襲われている、という内容でした。「それにもかかわらず、なぜ?」と、連載中、何人かの人に尋ねられた質問がこれでした。
もっともな質問だと思います。第2次安倍内閣の発足前の株価(日経平均株価指数)は、およそ1万円でした。それが、21年2月には3万円を超え、その後少し下がりましたが、直近(6月上旬)でもなお2万8000〜9000円近辺となっています。およそ8年半の間に3倍近くに上がっているのです。この間の日本経済の規模(名目GDP)の拡大は1・1倍に止まっているにもかかわらず、です。
なぜでしょうか。大きな理由が二つ考えられます。
一つは、日本銀行が採っている超金融緩和政策の影響です。日本銀行は、景気を良くしたい(消費者物価上昇率を2%にしたい)との安倍内閣の意向を受け、13年4月以降、毎年70〜80兆円というお金を民間金融機関に供給し続けています。そのお金の多くが、景気を良くする方向には向かわず、株式の購入へと向かっているのです。
二つは、日本銀行、郵政公社、年金基金など、政府系金融機関のお金が、大量に株式(やその関連商品)の購入に向けられ、株価を底支え、もしくは引き上げていることです。
要は、昨今の株高は、安倍内閣の政策が生み出したものであり、政策が変わればたちまちにして消滅してしまいかねない危ういものである、ということです
一方で、その政策(とくに超金融緩和政策)について見ますと、このまま存続させていいのかどうかが問題になってきています。景気を良くするという本来の目標を達成できない政策であることが明らかになっていることが一つ、その弊害(社会の格差を拡大させていることなど)が明らかになっていることがいま一つの理由です。
(暮らしと経済研究室 山家悠紀夫)

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