vol.4 「消費税増税+コロナ禍不況」(3)

今の日本経済を襲っている厳しい不況は、消費税増税とコロナ禍、二つの要因が重なってのものである、と見てきました。要因は二つですが、この二つの要因の背景に、いまひとつ、共通した大きな要因があります。安倍内閣の政策の失敗(失政)がそれです。
その第一は、景気が悪くなりつつある時期に消費税を増税した(とくに、19年10月、二回目の増税、8%→10%)という失敗です。
一回目の増税(14年4月、5%→8%)のあと、景気が冴えない状況に陥っていることは、さすがの安倍内閣にも分かっていたようです。そこで二回目の増税(15年10月と法律で決まっていました)を一度ならず二度も先延ばししていました。景気を悪くしてしまうなどというのがその理由でした。それなのによりにもよって、本当に景気が悪くなり始めた時期に、強引に実施したのです。
なぜでしょうか。延期を決めた前二回にはすぐ後に国会議員の選挙が予定されていた、19年10月にはその予定がなかった、という以外には理由が見当たりません。
第二は、コロナ禍への対応が遅すぎた、という失敗です。
明らかに、大きな失敗が二つありました。
一つは、コロナウイルスを国内に持ち込ませまいとする「水際作戦」の失敗です。諸外国からの入国者、海外からの帰国者に対する規制が遅れ、また甘すぎました。
いま一つは、感染者を発見し、保護、隔離するためのPCR検査が少なすぎました。
こうした失敗のために、昨年春以降、感染者が急増し、結果として、人々の暮らしや営業に強い自粛要請をせざるをえなくなり、経済活動の大きな落ち込みを招いてしまったのです。
この不況は、別名「安倍失政不況」と呼ぶべきだと、私は思っています。
(暮らしと経済研究室 山家悠紀夫)

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