vol.3 「消費税増税+コロナ禍不況」(2)

 第二次安倍内閣の発足(2012年12月26日)から現在までの景気の動きは大きく三つの時期に分けることができます。
第一の時期は、12年12月から14年3月までの1年3カ月間です。景気が順調に回復していた時期です。前政権下で、ギリシア危機の影響を受けて発生していた日本の景気後退は12年11月に終わり、景気は12月から回復へと向かい始めていました。その回復は、安倍内閣が消費税率の引き上げ(5%→8%)を実施する直前の14年3月まで続きました。
第二の時期は、14年4月から18年9月までの4年6か月間です。14年4月の消費税増税で景気の流れが変わりました。増税直後に落ち込みそのまま回復しないという、いわば「底這い」状態が長く続いた時期です。増税で家計消費が大きく落ち込み、そのまま回復しなかった、ということが背景にあります。一方で、海外経済が好調で輸出が伸び、景気の悪化を防いでいた、という時期でもあります。
第三の時期は、18年10月から現在に至る時期です。第二の時期からの転機になったのは、米中貿易摩擦の発生、激化であり、その余波を受けて日本の輸出が減り始めたことです(18年秋から)。景気の雲行きが怪しくなりました。そこに、安倍内閣が消費税率の第二次引き上げを強行しました(19年10月。8%→10%)。これで景気後退が決定的になりました。さらに20年に入ってからはコロナ禍の発生です。
このように見てきますと、昨今の不況はコロナ禍だけによるものではないことがお分かりいただけるでしょう。「消費税増税+コロナ禍不況」と呼ぶゆえんです。

このテーマでは、あと二回書く予定です。この連載に関して、ご感想、ご質問等ありましたら、アサココ編集部までお寄せ下さい。
(暮らしと経済研究室 山家悠紀夫)

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