vol.54 お寺だからできる継続的な支援

 あの日(3・11)が近づいてきた。震災直後からボランティア活動を行い、またボランティアのコーディネートも行ってきた宮城県仙台市のお寺(西本願寺)は、現在も継続的な支援活動を展開している。

震災から1週間後にセンターを立ち上げた

01_P114_fukko_01  浄土真宗本願寺派(西本願寺)の本願寺仙台別院を訪れた。寺は震災直後に炊きだしをしていたが、震災からわずか1週間後の3月17日に、被災地支援を行うことを目的にしたボランティアセンターを立ち上げた。それが「東北教区災害ボランティアセンター」(以下、センターと略)だ。当初は寺の職員が運営していたが、間もなく専従のスタッフが活動を担うようになった。スタッフは現在3人。
 スタッフの朝枝遊心さんと皆川麻由さんに聞いた。
「センターの立ちあげをした頃の活動は、被災者に救援物資を届けることと、津波による流入物の撤去が中心でした」と朝枝さん。

センターは西本願寺の敷地内にある

センターは西本願寺の敷地内にある

センターは全国から被災地支援にやってくるボランティアの受け入れ施設となりコーディネートを行った。
「寺が運営していた幼稚園が閉園して建物が丸ごと残っていたので、宿泊施設(無料)として1日に50人ほどの受け入れができました。学生ボランティアが多かったですね」と皆川さん。宿泊を伴わないボランティアまで数えると「これまで3万人を超えています」という。
 流入物撤去の活動と並行して、積極的に行ったのが「お茶会活動」である。

6年目を迎えてできることは

朝枝遊心さん(左)と皆川麻由さん

朝枝遊心さん(左)と皆川麻由さん


朝枝遊心さん(左)と皆川麻由さん[/caption] 行政や社会福祉協議会と連携しながら、お茶会は震災から3カ月後の2011年6月から、名取市の仮設住宅などを中心に8カ所でスタート。その後は、借り上げ住宅、自主避難者といった人を対象にしたセンターを会場としたサロン活動を展開してきた。
 センターでは他に、仮設住宅などの居室訪問活動、協力団体における写真洗浄活動、植樹や行方不明者捜索活動などに参加するボランティアのコーディネートを実施してきた。5年の活動を経て変化はあるのだろうか。
 「確かにボランティアは減少しています。仮設では、『昔(震災直後)は沢山の人が来てくれたのに』と嘆く人がいます。忘れられていると思っているようです」(朝枝さん) だからこそ、継続した支援が必要だと朝枝さんは言う。
 センターでは居室訪問するボランティアを増やすために、養成講座を開催している。仙台市や陸前高田市、大船渡市で実施し、これまで190名が受講し現在は15人以上が活動を行っている。
 朝枝さんは「仮設は今では半分以上が空き家状態です。残っている人たちの焦燥感や孤独感を痛切に感じます」と言い、支援はこれからも必要だと話した。
 「忘れないでほしいです」と取材に応じてくれた2人は言う。何かをしたいと思っているのであれば、手紙を送るのも良いし、足を運んで下さいとも言う。
 被災地の6年目の春は、人々にどうだろうか。
 浄土真宗本願寺派 東北教区災害ボランティアセンター 仙台市青葉区支倉町1-27 電話022-227-2193 ファクス022-227-2195 https://otera-vc.jimdo.com/
 (介護福祉ジャーナリスト・甘利てる代=八王子市)

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