vol.61 谷保の商店街を歩く -国立市-

古くて新しい魅力あり ダイヤ街商店街を巡る

愛される小さな商店街

 JR国立駅南口からバスで約10分。富士見台第一団地で降り、団地南側を左に曲がってすぐ右に、アーケードの商店街がある。「ダイヤ街」。1965年(昭和40年)に団地と同時に、32店舗で始まった。「桑畑と麦畑だった場所で、まわりに他の店もなく、初めの頃はすごい売り上げ」と、商店街の始まりから知る「三共薬品」の天野俊久さん。5年後にアーケードが付いたが、トタンと水銀灯のアーケードは、四半世紀を経て雨漏りがするようになり、行政の補助金を得て、1994(平成6)年から3年かけてリニューアルした。
 高度成長の活況が終わり、個人店の経営が難しい時代には商店街が生き残るのも難しい。しかしダイヤ街は生き残っている。天野さんは「近くに量販店もできたけど、大きな店ではできないことをやってきた。うちは、お客さんが相談できる店です」と言う。これはダイヤ街の他の店にも言えること。

新しい風も吹いている

 お豆腐屋さんや瀬戸物屋さん、昭和を感じる店が魅力だが、新しい店もある。2011年開店の「musubi」。店主の坂本眞紀さんは、もともと国立市在住で、ダイヤ街に「よく買物に来ていました」。生活雑貨のセレクトショップで、手仕事の素敵な小物や、気の利いた生活道具が並ぶ。おしゃれな店だけどレトロな商店街にあって違和感ない。「暮らしに近い」ところが気に入っていると話してくれた。
 古本と新刊本を扱う本屋で、出版社でもある「小鳥書房」。代表の落合加依子(かよこ)さんは31歳。ダイヤ街で一番若い店主。向かいのシェアハウス「コトナハウス」の運営に携わる中、本屋を開きたいという願いを叶えた。「谷保に本屋がなくなったので、ぜひここで本屋をやりたかった」。古本、新刊、小さな出版社の本や雑貨を揃えている。ダイヤ街を「自分の家のような商店街」と言う。
 小学校が近く、下校の子どもが商店街の中をパタパタ走っていく。「おかえりー」と声。焼き鳥の焼けるいい匂いに足を止めたら、通りかかった女性から「冷たいビールが欲しいわね」と声をかけられて、笑った。

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