vol.78 玉川上水緑道散歩 -小平市-

歩いて木々に会い行く玉川上水NO.1コース


疲れた心に大きな木

コロナ禍により、遠くに出かけることが憚られるようになってみて、近場の散歩がより大切になった。特に大きな木を見ると、心がいろんな感情で満たされ、涙がこぼれるようなときがあって、身近に大きな木が多い多摩地域に住んでいることをありがたく思う。
玉川上水全域を知る人たちの多くが、「歩くコースとしてはベストでは?」と言うコース、小平市内の桜橋から小川橋までを歩いてみた。

クスノキに励まされて

桜橋から玉川上水緑道へ入り、「商大橋」の手前で緑道から公道へ出るとすぐ、「小平市平櫛田中彫刻美術館」がある。玉川上水を歩くにしても、寄り道するのにほど良い近さの素敵な美術館だ。
美術館は、晩年の約10年間を小平に暮らした彫刻家、平櫛田中氏(1872―1979)の邸宅と展示館からなり、彫刻作品40点などが展示されている。代表作の「鏡獅子」や「尋牛」はもちろん、おおらかな笑顔につられる「気楽坊」や、仔犬の愛らしい仕草の「新春」など、多彩な作品を鑑賞して楽しい。
この邸宅の庭に、大きなクスノキがある。氏が存命の頃は背丈ほどの高さだったというが、今は見上げるほどで、自由な枝ぶりが包容力を感じさせ、いつまでも見ていられる。

緑陰をゆっくり歩いて

玉川上水緑道に戻って、小川橋へ向かう。「小平水衛所跡」は、このコースでもっとも水に近く寄れるスポット。水衛所とは、上水の監視と管理のため水衛(水番人)が常駐した場所。通水停止に伴って1980(昭和55)年にここが廃止されるまで、水番人は水位を確認したり、小平監視所まで歩いてゴミを取り除いたり、フェンスの破損などを調べていたそうだ。
緑道沿いの木々は、コナラ、エゴノキ、ミズキ、クヌギなど種類も多く、いろいろな葉や枝の形を眺めて楽しい。残暑の蒸し暑さを忘れさせる緑陰を気持ちよく歩く。美術館に寄ったり休憩したりした時間を除くと、桜橋から小川橋まで、ゆっくり歩いて80分ほどだった。

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