vol.42 実篤と崖線・仙川 -調布市-

まち歩きの醍醐味を 崖線と水と文士の家で

水と緑の仙川へ

01_P133_aru_11 仙川駅から南へ歩き出す。仙川商店街通りは、古くからあると思われる店と新しい店が混在し、近頃ではめずらしくなってしまったような、ごちゃごちゃと賑やかな雰囲気で楽しい。商店街を抜けて、桐朋学園がある建物をぐるりとまわって道なりに行くと、武者小路実篤が住んだ家が残る「実篤公園」に着く。駅からは徒歩10分ほど。

実篤の終の住処

 武者小路実篤がこの地に越して来たのは昭和30年、70歳。90歳で亡くなるまでの20年間を暮らした。「年をとったら水のあるところに住みたい」と言っていたとおりの、水に恵まれた終(つい)の住処(すみか)だった。
 家は、土、日、祝日のみ内部を公開。北側の玄関は広く、来客が多くて、訪ねて来たファンも招き入れていたという開放的な暮らしが目に浮かぶ。
 明るい南の仕事部屋からは庭が見渡せ、陶器や人形など、絵のモチーフをテーブルいっぱいに広げていた当時のままの光景が残されている。
 国分寺崖線上にある庭は起伏に富み、池の水は澄む。庭から地下通路を通り抜けると、隣接する武者小路実篤記念館に着く。

企画展の楽しい記念館

 記念館では現在「画家の手紙 制作と友への思い」展を開催中(1/28まで)。実篤と親交のあった画家たちの手紙が展示されている。日々の小さな出来事、友の仕事への感想や意見、創作意欲などが気負いなくさらさらとハガキに書かれていて、現代の「メール」のような気軽なやりとりが当時の手紙にあったことを面白く思った。

崖線のまちの一休み

 実篤公園に近いギャラリーカフェ「ニワコヤ」は、食事やお茶が楽しめるが、地図制作集団「仙川地図研究所」の拠点でもあり、ここで売られる「見る 知る 歩く せんがわ地図」(200円)は、地形や緑地の有り様がわかりやすい。
 他にも、一休みしたいカフェやレストランが多いのも仙川散歩の良いところ。118号線沿いの「コージー」ではハーブティを。駅の反対側まで歩いて、昨年11月に開店したアメリカンパイの店「グッドカンパニー」のチョコレートピーカンパイをお土産に買って、近いうちまた来ようと思いながら、帰りのバスに乗った。

《インフォメーション》

 ■調布市武者小路実篤記念館(調布市若葉町1-8-30) 開館時間・9:00~17:00。入館料・大人200円/小中学生100円。休館日・月曜日(祝日のときはその翌日)。※実篤邸の公開日は、土日祝日のみ。
 ★バレンタインデーに毎年人気の「実篤チョコ」は1/20(土)から発売。洋菓子「モロゾフ」とコラボレーションした9粒入りで、実篤の絵をあしらった缶入り(540円税込)。2500個限定で売り切れたら終了。
 次の企画展「実篤の言葉 画讃と詩を中心に」は、2/3(土)~3/11(日)
 ■レストラン「コージー」(調布市仙川町1-8-8) ランチ11:30~14:00(LO14:00)、カフェ14:00~17:00(LO16:30)、ディナー18:30~23:00(LO22:00)。定休日・火曜日
 ■ギャラリーカフェ「ニワコヤ」(調布市若葉町1-28-28)11:00~20:00。定休日・月曜日/第1、3火曜日。
 ■グッドカンパニー(調布市緑ヶ丘1-10-7)11:00~20:00。定休日・水曜日

Comments are closed.