vol.38 奥多摩・日原散歩 -奥多摩町-

鍾乳洞と巨樹の魅力 奥多摩の神秘にふれる

鍾乳洞ってなーに?

00_P124_arucoco_01 奥多摩駅からのバスの中、6歳くらいの男の子がお母さんに「ショウニュウドウってなーに?」と聞いていた。夏休みで車内はぎゅう詰め、みんながそっと聞き耳をたてる中、お母さんは「お母さんもよく知らないの。行ったらわかるよ」と。「地殻変動で地上に隆起した石灰岩が、雨水や地下水で浸食されてできた洞窟」について、子どもにもわかりやすく説明できる人はそう多くはないだろう。ただ、訪れれば、自然の神秘に圧倒されることは間違いない。

11月の平均気温

 関東随一の規模を誇る日原鍾乳洞(入場料・大人700円/中学生500円/小学生400円)の中は、年間を通して気温11度。Tシャツ姿で汗をかきながら歩いて来た人たちが、みんな一斉に入り口でジャケットをはおる。中は暗くて足元は滑るので、滑りにくい靴を履いて行くことも忘れないように。背をかがめて歩くような所から、一気にひらけた所まで、小一時間の洞窟探検。天井から下がる鍾乳石、仏像のようにも見える石筍(せきじゅん)が、幻想的な景色をつくり、鎌倉時代から修験道の聖地であり信仰の場であったことに納得する。

巨樹の魂にふれる

 鍾乳洞を出て、日原森林館へ。車に気をつけながら街道を歩いて20分ほどで着く。ここに作品が展示されている、巨樹を描く画家の平岡忠夫さん(88)が、森林館の裏の廃校になった小学校の校舎をアトリエ「巨樹ギャラリー」としている。ご在宅なら案内してもらえる。
 都の天然記念物になっている「倉沢のヒノキ」を描きに来た1987年8月に雷雨にあい、落雷の危険性に気づいた平岡さんの助言と資金援助で、ここに避雷針が設置されたという。こうした縁で日原に移り住み、日本全国の巨樹を訪ね、絵は2700枚を超える。巨樹の「気」を感じながら描くため、下書きをしたり写真を撮ったりせず、その場で一気に描き上げるとのこと。平岡さんと巨樹が向き合った時間を追体験できるようなエネルギーに満ちた絵に圧倒された。

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