vol.67 川めぐり花の里 -あきる野市- 桃源郷で花を愛でる

 JR五日市線の武蔵五日市駅からバスに乗って約12分の「荷田子(にたご)」で降り、5分ほど歩くと「乙津(おつ) 花の里」。桜のほか、ミツバツツジも有名。桃源郷というのはここのことかなと思う。時間がゆっくり流れ、ふんわり心を包むような山間(やまあい)の景色。近くの「乙訓(おとくに)おやき店」で、焼きたてのおやきを食べながらおしゃべり。「ここは八重桜とシダレザクラが多くてピンク色が濃いから、ソメイヨシノを『あの白いのは何の花ですか』と聞く人がいて」と聞いて、みんなで笑う。

大樹に守られる里

 西に15分ほど歩いて西青木平橋へ向かう。ひとつ手前の青木平橋から、車が通らない川沿いの道に下りられる。ウグイスの鳴き声を楽しむ。短いけれど歩いて楽しい道だ。川辺まで降りる階段があって、水の清らかさに頬が緩む。
 道を戻り、北へ。20分ほどで大沢を渡り、里山を守るような小山の上にある「五柱(いつはしら)神社」に上る。市の天然記念物に指定されている杉の木は樹齢400年。苔むした幹のたくましさ。通りかかった人と「こんにちは」と挨拶を交わすのどかな里だ。

運ばれる木材を思って

 養沢川にかかる新橋を渡り、秋川との合流地の方向へ歩く。道路から見下ろしたときの、徳雲院と川と山の風景が素晴らしい。ここ徳雲院には、かつてこの地の小学校で教えた歌人、三ヶ島葭子(みかじま よしこ 1886~1927)の歌碑がある。
 「筏組む 木の音冴えて 水ませる あさけのたにに 鶯の鳴く」
 木材運搬のために筏に組まれて川を下る木と木が出す甲高い音と、鶯の鳴き声。鶯の声は今も聞こえるので、目を閉じて筏の音を想像してみる。札立(ふだあて)からバスに乗れば、武蔵五日市駅まで15分くらい。
 ※「秋川渓谷瀬音の湯」「あきる野ふるさと工房」は、3月中は閉鎖だった。その後の状況も流動的なので、行く予定があれば、事前に問い合わせを。

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